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03-13
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「……へぇ、ピンク。かぁわい…」
「~っ!!」
そんなものをこいつに見られただけでなく、意味深に笑われ馬鹿にされた気分になった。下着の色なんて俺の勝手だと思う。お前には幼く見えたんだろうが知ったことか。じゃあお前のは何色なんだよ……って、こいつの下着確認したくはねぇ…なぁ。
「中、見て良い?」
椿の指に下着のゴムが引っかかる。こいつは俺に確認を取っているが実際の所それはするって言う宣言であり、俺の意思は無視だ。それは今までのこいつとのやり取りで嫌な位に良く分かっていた。こいつの方が力が強いんだから抵抗するだけ無駄だってことも。でも、これ以上は踏み込まれたくなくて、こいつが簡単に見て良いような所じゃなくて。両手で椿の手を力一杯に握りしめ、椿を睨みつけた。
「これ以上は、殺すぞ……!」
殺気も込めた瞳で椿に嫌であると訴える。すると椿は一瞬驚いた様に目を見開いて、俺の下着に触れていた手を退けた。
「残念。また今度見せてな?」
「へ…?また……?」
どうせ問答無用で触って来るんだと思っていた。でも椿は良い意味で俺の期待を裏切った。「また」も何もないんだが、今まで抵抗しても止めてくれなかった癖に、何でこれに限って止めてくれたのかは分からなかった。一体何の心境の変化なんだろう。
「見なかったら、良いんだっけ?」
「っひ、ぁう……っ」
初めて俺の言うことを聞いてくれた安堵からか、完全に俺は油断していしまっていた。椿の腕を握りしめていた手を緩めていたせいで、また椿が好き勝手弄り始める。「見なかったら良い」だなんて俺は一言も言ってない。寧ろずっと抵抗してきたはずなのにこいつの記憶は良いように改竄されてしまっているのだろうか。
―糞、やっぱ力強ぇ……―
両手で掴んだら止まってくれたから、両手で力尽くで引き剥がそうとすればもしかしてどうにかなるんじゃと、ふとそんな考えが過ったが、そんなことはなかった。相変わらずこいつは好き放題。じゃあ殺気込めて睨んだのが効いたのかと思ったが、やっても「可愛い」と笑われるだけで何も俺の意思は通じなかった。
「ふ…、ぴくってした。そろそろイきそ?」
布1枚薄くなった分、こいつに与えられる刺激が先までと比べて同じ触り方でも大きく感じる。特に先端を触られると駄目で、一度絶頂の縁にまで追いやられていたせいで、同じ所に辿り着くまでは早かった。椿の手の中で俺のがふるりと反応する。お中に溜まった熱でぞくぞくが止まらなくて。自分の体なんだから、この先何が待っているかなんて自分が一番良く理解している。なのにこの男は毎回毎回逐一俺に聞いてくる。「五月蠅ぇ!」と怒鳴り、睨みはしたが、内心とてつもなく焦っていた。否この焦りはもしかしたら椿にも分かる位外に出ていたかもしれない。俺にとってはその位のことだった。
―イきたく、ねぇのに……―
こいつの手中で果てたくない。なのに俺の意思とは裏腹に俺の体はそこへ目掛けて直進する。どんどんどんどん、端がはっきりと見えてくる。なんとか踏みとどまろうと手に力を入れ過ぎて、指先は真っ白になっていた。俺に掴まれている椿の腕には爪が食い込んでいるに違いなかった。
「ぅ、ぁ…っ゛!も…っはな、離せ…っぇ…ッ、!!」
「くく……、嫌だね。可愛い顔もっと俺に見せて?」
「ぃや、だ……!!、ぁ…っ!ぁあ、っふ…、ンぁ、ぅ…っ」
俺がどれだけ力を入れたって、引きちぎれるくらいに首を振って嫌だと言ったって。椿はクツクツとそれはもう楽しそうに笑うだけで止まってくれる様子はなかった。それどころかこいつの声音は俺の痴態に興奮の色を含みだし、元から甘ったるかった声が更に、頭にじんじんと甘く響くようになる。そして指の動きも激しさを増し、背筋がぞくぞくぞくっって痺れた。
「あ…っ、や…、も、だ…っめ、……~ッぁああ゛、っ…」
もう自分を止めることが出来なくて、ビクンと大きく腰が跳ねたのを合図に俺は絶頂を迎えてしまった。
「あ…ぁあ…っ、ぁう…、ンっぁ…、」
頭の中真っ白になって、気持ち良いってことで頭が一杯になる。はふはふと息を吸い込んで、じんじんと続いている余韻に浸る。けれど段々と余韻が小さくなるにつれ、真っ白に塗りつぶされていた頭の中も少しずつ色を取り戻していって、下着の中の生温かさを感じるようになりそこで我に返った。
「…っあ、ぉれ…」
「ふふ…、すっげぇ可愛いイき方。慣れてねぇの?」
椿にそう言われ、現実とは思いたくなかったがそうだと認めざるを得なかった。最悪だ。こんな奴に、勃たされただけじゃなくてイかされた。嫌だと思った。この気持ちに嘘はない。なのに、冷静になってみれば俺、変だ。そりゃあ感じんのは生理的なもんで仕方ないと思うけど、気持ち良いって、一瞬でも、イった直後で頭が働いていなかったんだとしても。そう思っちまった。ここまでされても、何故か気持ち悪いの『き』の字も俺の頭には、なかったんだ。
こいつに委ねそうになっている俺が、"本当"の俺を侵食していく様な気分になった。違う、そんな訳ない。俺は確かに嫌だって思った。思ったんだ。
―違う、こんなの"錯覚"だ。今の俺がおかしいんだ―
こいつの子供っぽいところ。案外優しいところ。結構よく笑うし、喜怒哀楽はっきりしているところ。今まで見て来なかった本来あるべきこいつが隠していた"人間らしさ"を一気に見たから、変な気起こしてしまっているだけなんだ。だから、俺は間違っていない。こいつを受け入れようとしている"ナニカ"が間違っているんだ。
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