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新年は不穏の始まり…
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タケルも仕方なく名を名乗ると、
「タケル君か…」
長谷部にその名を呟かれ、一瞬ゾクッと不快な色を見せた。
これ以上タケルに興味を持たれる前にと思ったのか、高支那が周りをチラリと見、言葉を継ぐ。
「両親は?」
「ああ…、親父は去年、病気で死んだよ。お袋はもうずっと前から入院中だ。早くにボケてしまってな」
それを聞いた高支那は、顔色一つ変えることなく、
「そうか」
と答えただけだった。
タケルは高支那と長谷部の一物ありそうな関係が気になりながらも、敢えて興味なさそうに振る舞う。
「どうせ予定はないんだろう?今日は泊まっていくといい。例の部屋でいいよな?」
長谷部の言う例の部屋とは…
どうやら昔、高支那が使っていた離れの部屋らしかった。
高支那は長谷部の案内を断り、タケルを連れて屋敷の奥へと進む。
そして離れの障子戸を開けタケルを先に中に入れると、自分も後から入る。
それから戸を閉めると――
いきなりタケルを背後から抱きすくめたのだった。
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