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捕らわれの身
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やはりその中は木造りの階段になっていて、どうやら地下があるようだった。
見える範囲に人影はない。この時点で物音はもうしていなかった。
中は薄暗かったが、裸電球が所々点いていて、弱い光だが降りるに不便はない。
タケルは少し躊躇った後、一歩足を踏み出したのだった。
階段は相当古いものらしく、降りる度にギシギシ音がし、それが勝手に入ってしまった自分への罪悪感として返ってくる。
「誰かいるのか?」
堪らず声をかけてしまうタケル。
しかし返答もなければ、それらしい物音もしなかった。
やはり人の気配を感じたのは気の所為か、それともネズミか何かの仕業だったのか――
そんな都合の良いことを思いながら、タケルは階段下に降り立つ。
その先は狭い通路が続いていて、足元に気をつけながら前に進むと、直に広い空間へて導かれていくタケルだった。だが…
それはあまりにも無防備すぎた。
かび臭いニオイを感じた次の瞬間――
タケルは背後から何者かにハンカチのようなもので鼻と口を塞がれ、抵抗する間もなく意識を失ったのだった…
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