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楔
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「まさかあんたが高校の教師になるとは思わなかったな…」
離れでは、座卓に向かい合い、長谷部と高支那が久しぶりの再会に花を咲かせていた――ということなどあるはずもなく、実際嘲笑混じりで執拗に語りかけているのは長谷部の方だけで、高支那は素知らぬ顔だ。
そんな高支那をチラリと窺いながら、長谷部は探るように口を開く。
「一緒にいたあのタケルって子はあんたの何だ?」
「……」
「まさか本気で――」
言いかけた長谷部の言葉を遮るように、高支那の恐ろしく冷めた瞳がスゥ…と細まる。
「貴様のくだらない話はまだ続くのか?」
そして辛辣な言葉が投げつけられると、一瞬押し黙ってしまう長谷部。
「弟はどうした?姿が見えないが?」
厳しい眼差しで問う高支那の言葉に、長谷部の眉がピクッと動く。
「今も双子の弟と一緒に暮らしてるんだろう?」
何やら事情を知っていそうな高支那の物言いに、長谷部は下品な笑いを漏らし言った。
「今頃は…お楽しみの真っ最中かもしれないなぁ…」
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