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黒い影
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「そんなんじゃねーよ」
タケルは高支那の言い方にムッとする。
「まあいい。入れ」
だがその「入れ」という言葉に一瞬躊躇するタケルだった。
この部屋で高支那にイカされた記憶がまだ生々しいだけに、足を踏み入れる勇気がなかなか持てない。
それを見越したように高支那が嘲笑う。
「なんだ?俺に抱かれたいからここへ来たんじゃないのか?」
「誰が!!!」
すぐさま反発するタケルだったが、すかさず高支那の試す言葉が返ってくる。
「なら入るのが怖いのか?」
「ち、違うっ!!!」
それこそ慌てたように反論すると、怒ったように勢いで部屋に押し入るタケル。
高支那はフッと笑うと、部屋の戸を静かに閉めた。
タケルは思わず足を踏み入れてしまった自分に少し後悔しながらも、すぐに足元にある、ごみ箱に視線を注ぐ。
案の定、そこには綺麗にラッピングされたバレンタインチョコが何個も捨てられていた。
「なんでこんなことすんだよ!」
そう言って振り返ったすぐ目の前には、自分を見下ろす冷めた高支那の顔があった。
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