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黒い影
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「だ、誰が喜ぶかよ!!!」
タケルは声を荒げ怒鳴ると、動揺を悟られまいとすぐに慌てて部屋を出たのだった。
廊下に出て戸を閉めると、大きな溜め息を一つつく。
しかし心のイライラは収まらず、いつも一段上にいる高支那の澄ました顔を見せ付けられるタケルにとっては、どうにも悔しさが込み上げてきて仕方なかった。
そんな時――
教室に戻ろうとしたタケルの目に、信じられない人物の姿が飛び込んでくる。
(なんであいつがここに…!?)
窓から見下ろせる校門の辺りに、一台の車が停まっていた。
明らかに見覚えのある車だ。
運転席には――
あの長谷部が乗っていた。
その姿を見た途端、イライラが頂点に達したタケルは、考える間もなく駆け出していた。
なぜ長谷部がこんなところをうろついているのか――!?
嫌な予感に駆られながらも、その軽はずみな行動が、いつも自分自身を窮地に陥れていることなど、冷静を欠いた今のタケルはもはや考えもしなかった。
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