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変わり者
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一緒に体育館の入口まで行くと
新入生が整列していた。
....1組どこかな....
「遥くん、こっち。」
その言葉を聞き彼について行く。
『ありがとう。』と書いた紙を渡したいが人が多いしごちゃごちゃしていて渡せそうにない。
僕は出席番号が1番最後だから彼とは離れてしまうようだ。
何月生まれなのかな....
「じゃ、またあとでね、遥くん。」
そう言われ、お辞儀をしてから手を振った。
そして数分が経ち、入学式が始まる時間になった。
入場し、自分の場所に座る。
僕は1組だから1番前だ。
人がいっぱい....
そして、思考停止していたら入学式が終わっていた。
新入生が退場し、各クラスへ向かう。
そこで自己紹介等を済ませ
その日はそこで解散となった。
帰りたくない。
「遥くん、このあと暇?」
彼に後ろから突然声をかけられる。
びっくりして振り返ると笑顔の蒼くんがいた。
暇....というか帰らなかったら怒られる気がするが....
今日は叔父さんたちはたしか旅行でいなかったはず....
いないなら尚更帰らねばならないか。
カメラがついていたはずだから。
『ごめんね、今日は午後から用事があるんだ。』
「そっか、ならいいんだ。ごめんね?」
そういって蒼くんは去っていってしまった。
よし....とりあえず帰らなければ。
そう思い帰路につく。
何も考えずただ淡々と道を歩いていく。
そして家に着き、中に入る。
リビングにいると怒られるから2回のいつも「そういうこと」をしている部屋にいき勉強をする。
特にすることもないからという理由でやっているが勉強は苦ではない。
むしろ楽しい。
ただ、教科書に乗っていないような詳しい情報は知れないからそこがつらい。
周りの情勢を知れる機会などほとんどない。
叔父さんの話と学校での噂話程度なものだ。
だが、もうなんでもいい。
死んだって生きていたって。
どうでも。いい。
ただ、今日話しかけてきた蒼くん。
こんな包帯だらけで顔色も悪い僕に話しかけてきたのだ。
正直びっくりした。
かなり変わり者だと思う。
仲良くなれないのが残念だ。
僕がこんな家庭環境にいなければ。
仲良くなりたかったな。
話していても苦ではない人なんて久しぶりだったから。
そんなことを考えながら淡々と勉強をし続けた。
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