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....実はアホ....?
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授業が終わり、10分休みになると、
件の国語教師が僕に近づいてきた。
「ねえ。櫻井....さんだっけ。早く校長室にいってらっしゃい。さぁ。他の先生にも迷惑よ。」
すごく上から目線だ。
やっぱり少し腹が立つ。
まあ、慣れてはいるのだが。
紙を出して返事を書くのも面倒で、先生の問いに頷くと、
「それが教師に対しての態度?随分と偉そうね。その件も校長先生に報告させていただきますから。」
そういって足早に去っていってしまった。
もうなんだかイラつきを通り越して気持ちが悪い。
叔母さんの若い頃を見ているようだ。
本当に気持ち悪い上に1年間あの人と付き合っていかねばならないと思うと憂鬱だ。
「遥くん。校長室までいっておいでよ。あとで騒がれると面倒でしょ?次の教科の先生には俺が言っとくから。ね?」
『ごめんね。助かるよ。』
「ううん。大丈夫。戻るのが遅くなっても多分大したことはしないと思うから。いってらっしゃい。」
僕は手を振ってその場を離れた。
そして校長室前に着くと中から話し声が聞こえる。
これは....はいったらまずいかな。
そんなことを思っていると、中からさっきの国語教師がでてきた。
「あ!やっときたのね!ほら!こっちに来なさいよ!」
そういって僕の腕を引っ張って校長室の中に連れていく。
突然腕を掴まれたからびっくりした。
「ほら、先生来ましたよ!件の櫻井です!ほら櫻井、きちんと報告しないと!」
この人は一体何がしたいんだか。
校長先生に事情を説明しようと紙を取り出すと、それを国語教師にとられた。
「ほら、きちんと口で報告しないとダメでしょう?私の気を引きたいからって声が出ないなんて嘘ついて。はやく校長先生にさっきの授業のことを説明しなさい。」
本格的に意味がわからなくなってきた。
あなたの気を引きたくて声が出ないふりをしているって?
この人バカなのかな。
そんなことするバカはいないだろう。
否定したいがメモ用紙を取られてしまって伝えることが出来ず、固まっていると、
「ほら校長先生ご覧下さい。言った通りでしょう?私の気を引きたいからって声が出ないふりをした挙句、人がせっかく優しく話しかけてあげているというのに無視して頷いた生徒です!きちんと罰するべきでは無いんですか?」
やっぱアホだろこの人。
校長先生が分かってくれるといいが....
「....はぁ、わかったよ。君は次の授業も入ってるんじゃないのか?早く行きたまえ。櫻井くんはここに残って少し私と話をしよう。」
すると、その一言を聞いた国語教師は、何を思ったか、
「はぁい!わかりました!どのような罰を受けさせるのか後でお聞かせくださいね〜!」
そういってそのまま出ていってしまった。
「....櫻井くん、あっちの椅子に座りたまえ。」
そういわれ、椅子に座ると、目の前に紙とペンを差し出された。
「悪いね。彼女にきちんと話が伝わっていないようだ。担任の方にはクラスの全教科担任に伝えるように言ったのだが....すまないな。私からきちんと話を通そう。この度は君に大変嫌な思いをさせたと思う。本当にすまない。」
思いもよらない言葉に思わずびっくりする。
やっぱり校長先生はわかっているよな....
『いえ。大丈夫です。きちんと情報が言っていないなら僕自ら話を通すべきでした。』
「いや。今回に関しては我々教師の責任だ。君は私にきちんと話をしてくれた。なのにも関わらず、我々の伝達ミスで君に嫌な思いをさせてしまったのだから。これからはしっかりと伝えよう。彼女には私の方から注意をしておく。この件で彼女に何か言われることがあればまた私に言ってくれ。我々の不手際でこんな思いをさせてすまないな。」
そして深々と頭を下げる校長先生。
伝達ミス以前の問題がありそうだ....国語教師の頭に....
『そんな、校長先生は悪くないですから。大丈夫です。でも、もし何かあれば相談させてください。ありがとうございます。』
「あぁ、すまないね。そう言って貰えると救われるよ。私からの話は以上だ。授業に戻るのだろう?さぁ、行きなさい。」
『はい。失礼しました。』
そして校長室から出て、教室に向かう。
さっきまでは、よくわからない複雑な気分だったが、校長先生に謝られてからというもの不思議な気持ちになってしまった。あの人は悪くないのに。やはりちいが高いとその分責任も負うのだろうな。
大変そうだ。
そんなことを考えながら教室に向かっていった。
そして教室の扉の前に着き、中に入る。
するとその音を聞いてクラスメートが一斉にこちらを向く。
静かな時に入ってしまったようだ。
まあいいか。
僕はその教科の担任の先生の元に行き、
『校長先生とお話していて遅れました。すみません。』
と書いてある紙を渡した。
「はい。聞いているので大丈夫ですよ。今日はそんなに理科に関わることはやっていないので安心してください。そろそろ授業も終わりですから、お友達にでも内容を聞いて下さい。もしわからない所があれば私でもいいので。では、席に着いてください。」
優しそうな中年のおじさん、という感じだ。
今の時間は理科だったのか....
とりあえずあとで蒼くんに何したか聞こっと。
そのあとはどこか上の空で授業を聞き、
いつの間にか休み時間になっていた。
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