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いっぱいの本
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少しの間手を繋いで歩いていると、真が立ち止まった。
「ついたの?」
「うん、ここがその本屋さん。この辺では1番大きい本屋さんだと思う。」
「ほぇ.......すごいねぇ.........いい本見つかるといいなぁ」
「うん。じゃあ行こっか。」
中に入ると、本棚が沢山あり、人気の作家さんの新作や、話題作などが大きく取り上げられていて1番に目に入ってくる。
すごい.......こんなに沢山本が並べであるのを見るのは久しぶりだ。
学校の図書室くらいか、最近本を目にしたところは。
学校の図書室なんかとは比べ物にならないくらいの書籍量に少し驚きつつ、元々本好きなため、テンションがあがる。
「真....!すごいよここ....!!」
「ふふ、楽しそうだね、好きなところ見ておいで?」
そういって離された手が少し名残惜しかった。でも、その名残惜しさをかき消すくらいの好奇心に負け、真の元を離れながら色々な棚を見始めることにした。
「.......うん....!」
まずは話題作の所を見て回ってみる。
知っている作家さんの名前を見つける度に手に取り、買おうか悩む。
なにも今日だけで欲しいもの全てを買う必要は無いが、気になる作品が多くて欲しいものが沢山増えていく。
どうしようかな....そう思いながらも、タイトルに惹かれて欲しいと思ったものを1冊だけ手に取って買うことを決める。
作風が好きな作家さんだし、前に読んだことのある作品のアナザーストーリーが描かれているらしい。
これは気になる。前の作品を読み返したらより楽しめそうだ。
わくわくしながらあちこちを歩いて回る。
あ、漫画の方も見ようかな。
最近話題になっていた漫画で気になるものがあったはず。
そう思って漫画のコーナーへいくと真が漫画を数冊抱えた状態で色々見て回っていた。
「あ、真いた。」
「お、ハル。欲しいのあったんだ?」
「うん....!あとは漫画でも気になるのがあったからそれ見に来た」
「ハルは漫画も読むんだ?」
「うん。漫画も読むよ。」
「ちょっと意外かも。」
「そう....?」
まあ、たしかにあんまり読んでそうなイメージはないだろうな。漫画は何巻も続くから本を買えない僕にとっては読むのが難しかったし。でも、蒼が電子書籍で漫画を読んでたからそれを見させてもらえて、色んな漫画も読んだ。それから漫画にも興味が湧くようになったんだっけな。
「うん。意外。漫画に対して偏見とかはなさそうだけどね」
「あ、そういうのは全然。小説でも漫画でも面白いなって思えればそれでいいかな。」
「そうだね、僕もそう思う。
あ、そういえばハルは漫画探してるんだっけ?どんなやつ?」
「えっとね.......あ、それ、そこの棚のやつ。」
少し辺りを見回すと話題作なだけあって目立つ所に置いてあったからすぐに見つけられた。
「あ、これ?僕も買おうかなって悩んでたんだけど、結構巻数出てるからやめようかなって思ってたんだけど。でも、ハルが買うなら半分出すよ」
「あ、いいの....?」
その漫画は既に十数巻出ている。
半分にしたとしてもやっぱり高い。
「うん。家のリビングでもなんでもいいけど2人がいつでも手に取れる所に置いておこうよ」
「あ....いいねそれ」
「そうする?」
「うん、半分ずつ出して2人で読もう」
「ん、じゃあかごもってくる。」
「あ、ありがとう」
わざわざかごを取りに行ってくれている真の背中を眺めつつ、やっぱり後ろ姿もいけめんだ....と思う。
あの人が僕の恋人なんだもんなぁ....
すごいや.......
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