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嗜好①
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もともとS嗜好があった。
相手を縛ったり焦らしたりするのが好きだ。
いま興味を注いでいるのはくすぐりプレイ。
というわけで、
思い立ったらすぐ実行に移すのが俺。さっそくお目当てのあいつに連絡してアパートに来てもらった。急な思いつきで約束もなしに呼び出したせいか、来て早々に不機嫌な態度を露わにしていたが…。
「なんだよ急に。これから寝るところだったのに、ふざけんなよ…」
呼び出した時点で朝の7時。で、今が8時。
怒るのも無理はないが、断るわけでもなく素直に来てくれたのは嬉しい。とりあえずご機嫌取りは必須か。
「ごめんごめん。急に洸に逢いたくなってさ~」
「はぁ?…ただヤリたいだけじゃねぇの?」
まあ。そうですけども。
わかっていて来たってことは、洸もまんざらじゃないなとピーンときた。とはいえ速攻エッチに持ち込むのもどうかと思い、まずは酒を飲んでからムード作りをすることにした。
たしか、前から観たいと思っていた映画がネットフリックスで配信中だったはず。せっかくだからソファーで一緒に観賞しつつ、冷やしておいた缶ビールをお互いに2本空けた。
洸がいい具合にまったりしてきたところで、さりげなく腰に手をまわしてみたりする。
「…ちょ、…なに?」
「なにって、もちろんエッチだよ」
「この性欲バカっ」
「ははっ」
今にも噛みついてきそうな洸の眼差し。その瞳の奥はもう既にとろんとしている。大した量は飲んでいないはずだけど、洸はうちに来た時点で既に酒がまわっていた。
頬を赤く染めた洸のエロ顔に、いよいよ俺のほうも我慢ができなくなってきてる。
つーわけで、酔いに任せて甘い攻撃。まずは腰にまわしていた手で俺の方へと体を引き寄せてから、耳元でお願いを囁く。
「…なぁ、…エッチしよ?」
「チッ…しつけぇ」
「だめ?…したい、今すぐ」
「…はぁ、うぜぇ。…どうすっかな」
と言いつつも、洸は上目遣いだ。
これから俺にめちゃくちゃに抱かれて、最終的には涙目でひーひー鳴き出すのは洸だっていうのに。一丁前に俺を挑発してやがる。
「なぁ、いいだろ?」
「…うーん」
ああ、焦れったい。
洸がなかなか首を縦に振らないのは、俺との関係がなんとも微妙だからだろう。
洸とは、俺が以前働いていたホストクラブで知り合った。その頃メキメキ客を増やしていた洸とは違い、次から次にどんどん客を持っていかれて低迷していた俺は、一から出直すつもりで店を辞めた。
別の店へと移って3ヶ月ほど経った頃には、新しい店のナンバー2にまでのしあがることができた。
それもこれも洸のおかげ。
人気のあるアイツから学ぶことは多かった。
認めたくはないけど、洸は華がある。頭もいいし、客の特性に合わせたもてなしが臨機応変にできた。付け加えて色気もある。
体育会系なノリしか取り柄がない俺では、豊富な知性とトークで客を魅了する洸を超えられないことくらい薄々わかっていた。
負けを認めて逃げるように姿を消したあとも、洸の人気ぶりは風の噂で聞いていた。嫉妬しながらも憧れは増すばかり。
小さなプライドは捨てて、久しぶりに俺から洸に連絡を取って会ったわけだ。
洸は店のナンバー1になっていた。別に驚きもしなかった。ああ、やっぱり洸には勝てねぇなと改めて思ったし、実際に会ってわかるほど放っている輝き。そのカリスマ性を認めざる負えなかった。
つーわけで、降参。
負けを認めたら、案外素直に洸と話をすることができた。懐かしさに会話も酒も進み、思っていた以上に楽しい時間を過ごせたわけ。
で、すっかり泥酔いした頃。お互いベロベロの酔っ払いでまともな状態じゃなかった。
だから酔った勢いで誤って…、いや、本当にまじで何かの間違いが起きて、洸を犯してしまったことに始まるんだが…。
なんの経緯でそうなったのか、今となっては何一つ記憶にない。まじで思い出せない。なんせ浴びるように飲んでいたし、酒を飲むとヤりたくなる性分だ。
ただ不思議なことに、洸を抱いたっていう事実だけは体がぼんやりと覚えている。
翌朝。男二人がベッドで仲良く裸体。二日酔いの頭でも酔いが一気に冷めていくのがわかった。お互い酒に酔っていたし、今回のことは笑い話にでもしようかって、一度は洸に許してもらった。
それで終わるはずだったんだが。
その後も、抱いた時の洸の中のあのキツい締まりを体が忘れられなくて夜な夜な疼くわけだ。
ふと洸を思い出してはムラムラするようになって、いつしかまた抱いてみたいと思うようになって。これはもはや特殊性癖。
あの一夜で、新たな開拓をしてしまったわけだ。
俺はそれをネタに洸を何度もからかい、酒に酔ったフリをして次のチャンスを狙っていた。あれ以来、洸は俺と飲む時に警戒心が強くなっていたから、なかなか厳しい状況だったが、その機会はやってくる。
たまらなかったな。
シラフで洸を抱いた時は、ついに頭がイカれたのかってくらい痺れるほど気持ちが良かった。何が最高かって、絶対に勝てねぇと思っていた洸を捩じ伏せて喘がせたってことだ。
この快感は、くそたまらなかった。
気づけば、今では週1のペースで洸にエッチをしてもらえる関係に。
俺のテクニックがあがったのもあり、気持ちいいと感じてくれているんだろう。遊びとして洸は受け入れてくれている様子。
けど、恋人でもなければ友人でもない。
仕事仲間というか、なんというか。お互いのプライベートにまで深く踏み込んだ関係に進展することもないというか。
間違っても愛してるなんて言い合うような、特別な関係なわけでもない。まあ、世間的にはセフレってやつなのかな。
うん、なんとも微妙。
俺としては、気ままに会えて気持ちのいいセックスができればそれでいいかなって。
洸はだいぶ気が強いし、こっちが盛り上がってる最中でもお構い無しに「早くイけ」「寝かせろ」とか平気でムードをぶち壊してくる。
今日みたいに仕事終わりで疲れている時に誘う俺も俺なんだけど、なんだかんだ文句を言いながらも来てくれる洸も洸だ。
だから、ついつい欲に委せてしまう。
それでも最近は、ちょっと生意気な態度が目立つようになったことに不満があった。そもそも俺を下に見ているからこその塩対応。
ほんと全く可愛くない。
そんなわけで、今日は洸を思いきりくすぐって散々苛めてやった上でたっぷりと可愛がってやろうと思う。
俺の玩具でいるうちは、俺とのセックスなしじゃ生きられないくらいには依存させてやる。
という、調教作戦を思い立った。
「なあ、頼むからしようぜ」
「はぁ…」
「いいじゃん。お願い」
「…おまえ、…最近、女抱いてる?」
そう言われてみると、最近は女を抱いてない。仕事柄めんどうな女はたくさんいるから、なんとなく女とのセックスが遠退いていた。
ヤりたくなったら後腐れのない洸を呼べばいいし。
「俺はいま洸を抱きたいんだよ」
「…めんどくせー」
「そう言わずに、気持ちいいことしない?」
「…たまには、普通に話しようぜ」
はいはい、洸の焦らしプレイはもういい。今日は心底楽しんでもらえるように、たまらなく気持ちよくしてやるつーの。
こっちはもう我慢できない。
悪いけど待ったなし。
油断していた洸を力任せに押し倒した。
「わっ、おま……んっ、」
これ以上の有無を言わさず、そのまま唇を塞いで深くキスをする。初っ端から舌を入れて洸の口内を喋れないほどかき混ぜてやった。
洸は苦しそうに目を細めていたが、すぐに力が抜けたようにとろんとした目に変わる。
ほーら、やっぱりまんざらじゃない。
「ん、…んぅっ、……ハァ、んぅ」
洸も自分から舌を絡めてくる。さすが、洸も経験豊富なだけはあってなかなか上手い。だからこっちのやる気もあがるし、めちゃくちゃ興奮する。
俺は自分の唾液をたっぷりと洸に移して、舌に吸い付く。今日は強めに。そうされると口内が苦しくなったのか、洸はゴクッと一度唾を飲みこんだ。
いつもなら無理矢理なことをされると嫌がって「やめろ」「バカ」と跳ね除けられることもあるけど、今日は大丈夫そうだ。
そのまま洸の着ていたVネックのセーターを強引に剥ぎ取る。もう一枚着ていた薄めインナーからは、痩せ型である洸の体が透視できるように見えた。
俺はこの体を何度も抱いたし、服を着ていてもどんな体をしているのか、どこにホクロがあるのかまでしっかりと覚えてしまった。
洸は痩せてはいるけど、高校時代にバスケ部に入っていたのでほどよい筋肉があり、滑りのいい綺麗な健康肌。今でも多少は鍛えているのか、余計な脂肪が全くない。
布越しから触れると既に体は熱く。エロい。仕事終わりにシャワーを浴びたんだろう、石鹸の香りをふわりと漂わせてくれているのもたまらない。
すーっと、洸の匂いを嗅いで堪能していると、
「やめろ、変態かよ…バカっ」
本日三度目の「バカ」をいただいた俺の興奮は、秒刻みで増していく。やめろと言われるとやりたくなるのが男のサガ。
というか、やめろなんて本気で思っていないのがその潤んだ目を見れば俺にはわかってしまう。
ってことで、くすぐりプレイ開始しようか。
その前に、両手を先に拘束しとこっかなー。
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