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犬に猿
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ケンカップル??
***
この国には強制的なマッチング制度がある。
少子化対策として政府が編み出した苦肉の策で、つまりは独身同士を無理やりくっ付けて気に入れば結婚させようという政策だ。気に入らなければワンナイトラブ、一夜限りのお相手でも構わないし、子作りだけして結婚をしなくても構わない。頭がおかしいにも程がある。
かく云う私も今年その白羽の矢が立った。
で、
「………よりによって何でお前なんだよ…犬飼」
犬飼と呼ばれたスーツ姿の男は部屋に入ってきた私を見るなり天井を仰いで目を閉じた。その眉間には深いシワが出来ている。上を向いた犬飼の口から恐ろしいほど長ーいため息が漏れた。
「それはこっちの台詞だ、猿渡……部屋を間違ってるぞ、ここには絶世の美女が訪ねてくる予定だ」
「ハッ。そんな美女がいないから私に赤札が届いたんだろう。……ん?待て。じゃあ…まさか…お前のところに…」
「青札が来た」
犬飼が青い葉書を取り出しニヤリと笑う。
「残念だったな、猿渡〜。どうやら俺の方が「雄」として上だったらしいぞ」
その憎たらしい表情にギリリと歯軋りをする。
この制度の恐ろしいところは子作りに男女差無しとしたところだ。マッチングで選ばれた二人は自動的に「男役」と「女役」に振り分けられ、それぞれ必要な道具と葉書が送られてくる。その葉書が役によって色分けされているのだ。
が、あくまで振り分けは「自動的に」だ。雌雄の優劣などではけっっっっしてない。
「下半身がダラしないの間違いだろう。第一営業課は顔で商売していると有名だしな」
「それに選ばれなかった二課の尻拭いは誰がしてると思ってるんですかねえ。二課長サン」
「ウチは丁寧に育ててるんだよ!大器晩成型!」
「丁寧過ぎるんだよ、猿渡は。だから晩成する頃に他部署に引き抜かれんだろうが」
「う、うるさい!」
我ながら稚拙な言葉でしか言い返せないのが悔しい。
会話からも分かる通りこの犬飼マサムネと私は同じ職場で働く営業課の同期だ。本店に勤める同期はもう犬飼しか残っておらず、あとは支店へ移動した。私の方が早く役職に就いたが今や営業課のエースは犬飼だ。何かと比べられやすい位置にいたからか犬飼と私は常に張り合う仲だった。顔を合わせれば小言、小言、嫌味、小言、なのである。
という訳で、この状況は同僚という事を抜きにしても「最悪」と言わざるを得ないのだが。
スラっとした長い脚を組み替えて犬飼が頬杖をつく。
それにしても、
(…本ッッッ当、顔が良いなッッ)
犬飼が他所へ思いを馳せてる隙に脳内シャッターを切りまくる。
流石、第一営業課の花形エース。顔で仕事を取ると噂されるだけあって面がいい。綺麗な二重にスーッとした鼻筋。高身長で脚も長いし声も良し。座ってるだけで画になる男が一体何処にいる。このまま脳内の映像を家に持ち帰って額縁に入れて飾りたい。
「?…どうした、猿渡」
「いや別に」
立場上ライバル関係に置かれてしまっただけで、正直ひと目見たときから犬飼はドストライクの人間だった。顔は勿論だが頭の回転が早く弁が立ち、それでいて誰よりも努力家なことは同期の私が一番よく知っている。私自身はノーマルだ。それでも惚れるには充分過ぎるほど出来た男だったのだ、この犬飼マサムネと言う男は。
(ゔ〜〜〜好きだ〜〜〜っ)
飛びつきたい衝動を抑えて腕を組み壁にもたれ掛かる。
ドアを開けて相手が犬飼だと判った瞬間どれほど舞い上がったか。赤札が来ても気乗りせず、ずっと重かった足取りが嘘のようだった。ま、犬飼の嫌そうなため息で我に返れたが。
「帰るか」
私としては「犬飼とマッチングされた」と言う事実だけでも充分だ。
「…は?このままか?」
「別に結婚は強制ではないだろ?犬飼も私の為にその高そうなスーツを着てきた訳ではあるまい」
「それはそうだが…」
「私だってお前ために準備してきた訳じゃない。今回は無かったという事で。それでは」
踵を返しドアノブに手をかけたところで後ろに力強く引き戻される。
「おい、待て!」
「何だまだ用か?」
「お前…何もせずに帰る意味、解ってるよな?」
「?何が」
キョトン顔の私に犬飼の眉が釣り上がる。
「罰金!理由なき条例違反には罰則があるんだよ」
「えっ……いくら?」
「百万」
「ひゃ……!!??」
何だその無茶苦茶なふっかけは!?
あまりの事に犬飼に触れられてるという喜びすら何処かへ吹っ飛ぶ。
「勝手に帰ろうとしやがって…俺の分まで払ってくれるんだろうな、猿渡」
「…」
流石に二百万もの大金をポンと投げ出せるほど私に甲斐性はない。肩に置かれていた犬飼の手に力が入る。
「お前の言う通り結婚は強制じゃない。今日だけの辛抱だ」
「し、辛抱って…」
「腹括れ、猿渡。もともとそのつもりで来たんだろ?」
いやいや、確かに覚悟はしていたけれど!
好きな人に抱かれる前提の覚悟なんかしてる訳がない。
(辛抱なんてひとつもあるか〜〜〜っ!!!)
こんな試練は聞いてない。
「足」
合わせていた両膝をパシリと叩かれて思わず頭を垂れる。ベッドの上にはパンツ一枚の男二人。その片方である犬飼は両膝をガッチリ閉じて体育座りをしている私に苛立ち気な声でもう一度「足」と言った。
「開かなきゃ脱がせられない」
(いやいやいやいや無理無理無理無理!!!)
犬飼の裸体が目の前にある。贅肉のひとつも見当たらない鍛え上げられた身体。薄ら割れてる腹筋と漢らしいガッチリした腕。スーツの上からでも筋肉質なのは解っていたけれどこんなに立派だったとは。
(ちょっ…直視出来ない〜〜〜〜!!!)
こんな性的な身体が存在していいのか!?生きているだけで犯罪だろ!ちゃんと仕事しろよ警察!
対して私の身体の貧相な事といったら…
「や……やっぱり、」
「観念しろ、猿渡」
痺れを切らした犬飼が閉じてた膝を無理やり割った。
(ぎゃあぁぁぁ犬飼にパンツ見られてるぅぅう!!てか犬飼の裸に興奮して勃起してるのバレバレだコレまずいまずいまずい!!!)
「…準備してきたんだろ」
私があまりにゴネるので気分を害したのか少し低い声でそう言いパンツをズリ下ろす。ぶるん、と勃起したペニスが開かれた股の間から顔を出した。
「こっちも濡れてる」
送付されてきた道具で準備したアナルに犬飼が指を浅く出し入れする。器具によって濡れるように出来たアナルからぐちゅぐちゅと水音が響く。犬飼の長く綺麗な指で濡れたアナルが解される。目の前で。
「も、もういいから…!さっさと挿れろ!」
「…はいはい」
これ以上犬飼に触れられてたら心臓が爆発して死んでしまう!
愛撫をやめた犬飼が私の上半身をベッドに転がし自身も下着を脱ぎ捨てるとアナルにペニスを押し当てた。
(あ…………犬飼のペニスも硬く、)
ぐ、ぷぷぷぷ、ごりっごりゅ、ごりぃぃっ
「ぁ……っ、ぉ"、〜〜〜〜〜〜っっ?!?!」
突如下腹部を襲った灼熱の塊に腰が浮き上がり背中が反り返る。頭上にあった筈のベッドヘッドが視界に映った。
「ぉ"っ♡ぉ"あ♡♡あ"、ひ、ッ♡♡♡」
言葉が出ない。尻の中を極太ペニスでごりごり擦られて何も言葉にならなかった。それどころか出すつもりは微塵もないのに開いた口から汚声が漏れている。
「ッ、しこり擦ると凄い締め付け……っ、そんなに腰振るなよ…、っ」
違う。これは足がガクガク震えているだけだ。挿れられてから痙攣が止まらない。…あれ?……これイッてる?もしかしてイッてるのか……?
「ぁ"っ、め…♡やめ…っ、ん"♡♡んお"ッッ♡♡♡いっ、いぬか…、いっかいぬい…てっ♡♡♡」
「嫌だ」
ずぱんッッ♡ばちんっばちんっ♡♡ばちゅん♡♡♡
犬飼は私の数少ないお願いを無下にして強く腰を振りたくった。恥毛の硬さが解るほどに密着して肉と肉のぶつかる音が響き渡る。擦れて腫れてしまったのか存在感増し増しの前立腺をカリで引っ掻かれて足の震えが止まらない。それが解っているからか犬飼は重点的にソコばかりを狙って角度を変え突いてくる。
「ここ、気持ちいいんだろ…っ、痙攣しっ放しだそッ」
犬飼の言う通り腹の奥がヒクつき過ぎて加減が効かない。相変わらず口からは汚声が漏れまくりで涙やら涎やら体液が出まくっている。鼻水すら垂れ流しの顔を犬飼にマジマジと見られていた。これではもう犬飼とのセックスを喜ぶレベルじゃない。
「も、やだ…っ、あ♡♡♡はな、っ、はな"じ、でぇ"っ、♡♡♡」
一生に一度ならもっとちゃんとしたかったのに。
ガクつく足でシーツを蹴って近づく胸板を無茶苦茶に押し返す。
「はりゃう……っ♡♡♡おかね、はりゃ、うからぁっ♡♡♡」
こんな小汚い姿を見られるくらいなら二百万など安いくらいだ。
何も言わない犬飼が静かに私の膝裏を掴んだ。動かなくなったので引き抜こうとした私の方向とは真逆の力で引き寄せられる。ずるりと手が滑った。思ったよりもずっと強いチカラで引き寄せられ、そのまま、
どちゅん♡
「ぁっ、ん"ぁぉ"ぁぁっっっっ"♡♡♡♡♡」
奥の行き止まりまで灼熱を捻じ込まれた。
ぐぼっぐぼっ♡♡むちゅ♡♡ぐりぐりっ♡♡♡
「ぉ"ほっ♡♡お"、ん"♡♡お"ぐぅ♡お"ぐ、ゥ〜〜〜〜ッッ♡♡♡」
「猿渡…ィ、鼻の下伸ばして白目剥いてんぞー、ッハ、不細工」
腹の奥を亀頭で叩かれて黒目がぐるんとまぶたの裏側へいく。薄っぺらい腹が律動に合わせボコボコと動いている気がした。不細工と笑った顔を犬飼が舐める。
「ちゃんと妊娠の準備してきたんだろ…?こんなブッサイクな顔、誰に見せるつもりだったんだよ、なあ」
ぱんぱんぱん♡♡ぐりっ♡ぐちゅ♡ぱんぱん♡ぐ、ぽっ、ぐぼっぐぼっ♡♡♡
笑いながらも犬飼は動きを止めない。
とりあえず説明書通りに準備はした。男でも妊娠出来るようにはなっているとは思う。けど、これは明らかに入ってはいけない場所に入っている気がする。
コンコンコンッと子宮口がノックされた。
「ッ♡♡あ"、ぇ"っ♡♡そこ…ッぉ"♡♡イ"ッ……♡」
「イクなよ?お前がイッた分だけ俺も出すからな」
「しょんな…っ、む、りィ"ッ♡♡♡ノックぅ"っ♡♡ノックやべでぇっ♡♡イ"ッ………、イ"グゥぅぅ"うゥッ♡♡♡♡」
びゅるびゅるびゅる♡びゅーーーっ♡♡びゅく♡
触られてもないペニスから勢いよく精液が噴き出し筋肉の伸び切ったダラシのない顔に掛かっていく。
「……、じゃあ俺の番」
力強く打ち付けていた犬飼のペニスが緩んだ子宮口にピタリと嵌る。「…あ」と思った時には、もう遅かった。
びゅるるるッッ♡びゅーっっっ"♡どぷどぷどぷ…っ♡
「〜〜〜っ、ぁぁぁっっ♡♡にゃ、にゃかぁあ"♡♡」
「……あーあ。またイッた。そんなんじゃ終わらないぞ、猿渡ィ」
精液の掛かった不細工な面に微笑みながら犬飼は律動を再開する。今日の為に作られた子宮はこれ幸いとペニスを咥えてその律動を受け入れていた。
「ちんぽ挿れられてその顔かよ……不細工」
私だってこんな無様な姿を犬飼に晒さなければもっとちゃんと楽しめるのに。でも気持ち良くていつもの顔を取り戻せない。目の前の好きな男に屈した顔でヘラリと笑う。
「金払わずに済んで良かったなあ、猿渡」
「……っ♡」
「いっぱい注いでやるよ…俺の精液」
耳たぶを噛みながらそう囁く犬飼はやっぱりすっっっごく好みで子宮がきゅんきゅん疼いて仕方なかった。犬飼の望んでいた美女じゃないけど、この瞬間だけはこの意地悪な笑みもこの子宮を満たす精液も、私のものだ。
(そしてまあ……あわよくば)
私を嫌いな犬飼が精液でふっくらした腹を撫でてそっと笑った。……気がした。
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