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そこから時間が経つのは早かった。
「ふぁ〜…っ」
あー、やべぇ。昼休みからの記憶がねー。
金曜はあまり授業が入ってないから、週末に持ち帰る予定の仕事も昼には終わっていた
だからってこんな爆睡かますとは自分でもびっくりだ。
念の為、辺りを見渡す。
手遅れだとかツッコミは禁止で。
…誰も来てねえな、よし←
授業以外で人の出入りはほぼ皆無に等しい化学室。
化学の教師は俺の他に非常勤講師しか居ないため、
ここを使うのはまず俺だけ。
職員室で過ごすより、ここの方が気が楽なんだよな
明日何しよ。ずっと放置してたゲーム引っ張り出そうかな
…あれ、捨ててねえよな
そんなことを考えながら時計を見ると、いつの間にか終業時間は過ぎていた。
おー…ラッキー。
足取りも軽く…と言っても他の人間からすればこれはかなりダルそうに歩いているらしいが
足を引きずりながら歩くのが俺のスタイル
初めに床につくのは、かかとから離れたサンダルで
すぱーん、すぱーんってスライドするのが割と気に入ってたりする
すぱーん、すぱーん
すぱーん、すぱーん
軽快にリズムを刻みながら、朝、ほんの数分だけお世話になった職員室に荷物を取りに行く
それはちょうど保健室の前を通った時に聞こえた
「……っ好きです…
年も離れてるし…っ男だし望み無いのはわかってるけど…でも――」
保健室から微かに漏れる生徒の声
相手なんて簡単に想像がつく
「ふふ、ありがとうね。すごく嬉しい」
ほら、やっぱり。アイツだ。
透き通ったその声を聞くのは少し久しぶりな気がして、思わず足を止めてしまった
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