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氏原side‥
康明の吐き出した欲が、口いっぱいに広がる
口の端から溢れだしたものも指で掬って、余す事なく
飲み込んだ
「…言われる前に飲むなんて……いい子だな。」
「、ん……」
頬に張り付いた髪を退けてくれた康明が、
熱っぽい瞳で優しく笑う
「おら、舌出せよ拭うから。」
そう言われて控えめに口を開けば、康明の指が
僕の口内の粘りを拭い取った。
「美味しかった?」
「…うん、康明の味、して……おいしかった…」
「そう…。さすが変態だな」
この時の意地悪く笑う彼の顔はいつもと同じであって、
どこか同じでないような気もして…
どう違うのかと聞かれれば、答えることはできないけれど
「そんなとこも……」
康明は言いかけた言葉をハッと呑み込み、かわりに
僕を強く抱き寄せた。
いま、康明が言いかけた事は…何だったんだろう
脳内なんていつか蕩けてしまっている僕にはそれが解らず
引き寄せられる腕に身体を預け、深く、熱いキスを交した
何度も、何度も口を離して
何度も名前を呼び、呼ばれながら
目も開けられず、康明の表情なんて見えないまま。
康明の匂いと温もりに頭がクラクラして
もう何がなんだかわからないや…。
でもきっと、康明は僕がこうして蕩けるのを知っていて
楽しそうにあの意地悪な顔で
何度も唇を合わせているんだろうと
そのときは、ただそんなふうに思っていた。
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