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「もう、ばか……。」
「あ?…挿れて欲しかった?」
「なっ…?!………ばかっ」
呼吸が整えば、ついでに動くこの口。
初めの頃は、恥ずかしがってそういう行為の後なんてほとんど口もきけなかったくせに。
まったく。可愛くねーやつ。
や、それは嘘だけども。
「ていうか…もう、さすがに眠いかも…。」
「ん、シャワー起きてからにするか?」
「んー………。」
曖昧な返事をしながら、今にも降りてしまいそうな瞼を必死に持ち上げて俺を見つめる幸人は子供みたいで可愛い。
長いまつ毛が瞳にかかり、なんだか邪魔そうだ。
頬に手を添えると、その手を包み込むように重ねられる手はいつもよりも温かく、幸せそうに目を閉じるのが愛おしい。
「俺は正直まだたりねーけどな。」
意識も薄れてきたようで、幸人はうん、うんと頷きながら俺の声を聞いた。
「…明日が終わったら、嫌になるほどくれてやるよ。
………俺はお前だけのもんだから……。」
「……………zzz。」
寝ちゃったか。
結構思い切ったこと言ったんだけどな。
スー、スーと寝息を立てる幸人の服に手をかける
この下にはまだ、俺に言えない何かがあるんだろうか。
幸人を起こさないよう、臍の上あたりまで捲って
手を止めた。
――ダメだ。決めたじゃないか。
こいつの嫌がることはしないって。
教えてくれるまで、いつまででも待つんだろ…。
たくし上げた裾を元通りに戻し、目に留まったのは見るだけで胸が苦しくなる左腕。
最近は、切ってないようで安心した
なかなか寝付けなかった夜も、俺といると何故だかよく眠れるらしい。
そんなムズ痒い言葉に、激しい運動するからなって冗談っぽく笑って流したけど。
ほんの微々たるものかもしれないけれど、幸人の心に負った苦痛を癒せる存在なのではないかと思う。
なんて
幸人に聞かれたら笑われてしまうだろうか。
吐息がかかるくらいの距離で、俺も目を閉じる。
さっき時間を確認したとき、なんだかんだでもう4時少し前だった。
あー、あと何時間寝れるかな。
もう計算もできない
だいぶ頭がフワフワしてきた。
眠れなかったのが嘘みたいに、急激に眠気が襲いくる。
意識を手放さんとするその瞬間
空耳にしてはやけにはっきり
夢にしてはやけに鮮明に
「好きだよ…。康明。」
眠ったはずの幸人の声が聞こえた。
いつか、クソガキに告白されたときに泣いていたのも
俺たちがこんな関係になる発端となった夜の事も
すっかり頭から抜けていた
幸人が得意だったのは―――…?
そこで俺は、意識を手放した。
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