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氏原side‥
誕生日が迫ったこの時期だけは、普段より僕のスマホが活動的になる。
学生時代の友人や元アルバイト先の関係者の他にも、メルマガ登録してある行きつけのショップのバースデークーポンの通知であったり
何かと嬉しいメッセージが多く届いたりもする。
友人からの誘いは確かに嬉しいけれど、今年の僕はそれに対して丁寧に断りの連絡を入れる。
だって誕生日当日はもう予約済みだから。
案の定すぐに返信が来て、その内容は遂に彼女が出来たのかーとか結婚したのかとか呆れてものも言えなくなる。
僕だって毎日暇人してるわけじゃないんだぞ。
仕事もそこそここなしてるんだぞ。
”大事な日くらい大事な人と過ごしたいじゃん?”
何も間違ったことは言ってない。←
「ひゅー」とか「wwww」とか完全に楽しんでいるであろう返信に若干ムカって来たけど、恋人だなんて誰もいってないもんね。
暫く旧友とのやり取りを楽しんでいると、心ちゃんからもメッセージが入った。
しかもまさかのショッピングのお誘い。
彼女には特に誕生日の話なんてしていなかったけど、誘われたのがちょうど土曜の昼と言う事もあって、2つ返事で了承してしまった。
……でもこれ僕犯罪者のレッテル貼られないかな、僕。
大丈夫?
そんな真面目な問いかけに、心ちゃんは
”ウチ意外と大人びて見えるし余裕ッしょ!”
と、これまたおバカな返事をくれて更に不安を煽られた。
仕方なく、学校から少し離れた繁華街を指定してスマホを仕舞う。
これってもしかして浮気かも…
だなんて、そもそも付き合ってるわけでもないのにそんな事を考えるのはおこがましいとは思えど、何か誤解されるのも悲しいので、一応康明に許可を求めるメッセを送る。
ま、康明のクラスの生徒だしね…。
教師としての気遣い。そうそう、それだ…。
普段から返信が早くい訳でもないない康明は、ちょうど仕事が終わったくらいの時間に「楽しんで来いよー」って一言返事をくれた。
「ありがとう!じゃあ、お言葉に甘えて楽しませてもらいます( ᵕᴗᵕ )⁾⁾
康明も何か欲しいものあるようなら一緒に見てこようか?」
彼からの返信であれば、どんな内容だろうと胸は高鳴る。
例え「んー」だろうが「おー」だろうが、
その先に3行くらいのメッセージを秒で返せる僕はなかなかの強者だと思う。
というか、履歴をさかのぼると大体そればっかりだ。
僕ばっかりガツガツ行き過ぎて、もしかして疲れさせたりしてないだろうか?
メッセひとつ、言葉ひとつで今度は簡単に自信がなくなる。
女々しい奴だなあと自負しながらも
トーク画面を開いたまま、なかなかつかない既読の表示を待った。
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