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氏原side‥₁
そして土曜日が来た。
昨日のメッセージのやり取りは、どことなく康明のテンションが低い気がしたけれど、いつもの事といえばいつもの事で。
特に気にしたわけでもなく、起きて既読を確認した後
「晩ご飯までには帰るね」と
さり気なく会う約束をこじつけようとしてみた。
…康明の事だから、まだ熟睡していると思うけど。
天気予報を見て、雨の心配がないことを確認する。
久しぶりに出来た休日の外出予定に、
どこか浮かれている自分がいた。
家から出てすぐのドラッグストアに車を止める。
心ちゃんのアルバイト先だ。
なんでも、心ちゃんはテストの結果が散々で
週明けから1週間みっちり放課後に補習を入れられてしまったらしい。
しかもクラスで一人だけ。
僕がもし心ちゃんの立場なら、飛び跳ねて喜んだだろうな。
康明と2人きり
しかも化学室という、彼のテリトリー内で。
だけど普段から康明の授業を受けている心ちゃんからしたら、これからの5日間はかなりの地獄…らしい。
もしかして康明の授業って結構スパルタだったりするのかな
………うん、簡単に想像でき過ぎて怖い。
今度健康管理票取りに行く振りして覗いてみよう。
…………なんて僕の野望をよそに、心ちゃんは今
お店の中で店長さんにこっぴどく叱られている最中だ。
僕と会う前に謝りに行くの?って聞いたらゆきちゃんと遊んでたら元気でるから慰めてって返された。
なんでおバカがゆえにバイト出れなくなって怒られた人を慰めなきゃならないんだ!
ちょっと嬉しかったから許してあげるけど!!←
今日はここで待ち合わせて、そこから僕の車で少し遠出するというプラン。
下手に近所で遊んだり、電車移動をして
学校の関係者に出も見られたら
何もやましい関係はないにしても、
疑いの目を向けられることは間違いないだろうから。
心ちゃんは康明の生徒で、これから無限に広がる未来がある。
どんなに仲が良くても、例え親友だったとしても
教師と生徒、大人と子供、男と女
なかなか思うように外を出歩けないのが事実だ。
だからこうして車で彼女を待つ時間も、もし誰か生徒や学校の関係者が通りかかったらと思うと気が気じゃなかった。
何だか本当に浮気してるみたい。
……なんて。
康明がこれくらいの事でヤキモチ妬いてくれるとは思えないけどさ。
でも、それも今日で終わり。
明日、僕のために予定をあけてくれたんだ。
チャンスは一度きり。
伝えるんだ。
伝える勇気がなくて逃げてしまわぬよう、ちゃんと前もって予約したのはそのため。
あとは、まあ。
自分の誕生日を好きな人と過ごしたかった
…っていうのも少しある。
なかなか出て来ない心ちゃん。
仕方なく外に出て、車にもたれ掛かりながらタバコの火をつけた。
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