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渡辺side‥
朝から店長の雷を盛大に食らってからの
ゆきちゃんとのショッピング。
確かに気分はだいぶ重めのところから始まったけど
ゆきちゃんらしい可愛い車でちょっとほっこりしたのと
本人には絶対言わないけどロング丈の黒カーデにスキニーのパンツが似合ってて、忘れかけてたけどゆきちゃんもイケメンな男の人なんだと改めて気づかされて元気出た。
ほら、イケメンって見るだけで幸せな気分になれるじゃん。
ゆきちゃんは、駅が近くなると大通りではなくて脇道や車1台通るのがやっとの細い道をずんずん進んで、このあたりでは見たことのない打ち切り料金のある良心的なパーキングに車をとめた。
特に深く探ろうとは思ってなかったけど
よく飲みに出ていたと話すゆきちゃんは何となくうわの空で、本当なのかな?って少し疑問に思った。
別に言いたくないならそれでいいし、
高木っちのことは何でも知りたいけどゆきちゃんは特にそういうわけでもないし。
…っていうとゆきちゃんに失礼か。
でもウチは親友同士の関係でも、一つや二つ秘密があったっていいと思ってるから特に気にはならない。
けど、そんな秘密オッケー派のウチの言い分をいとも簡単に覆す謎のやり取りを見てしまったんだ。
「……あれ、サチ?久しぶりだね。元気だった?」
聞いたことのない名前を呼ぶのは
すらっと背が高くてサラサラの髪の毛
チャラいようには見えないのにどこか華のあるスーツの着こなし
どこからどう見ても、360℃イケメンのお兄さんだった。
人違いかな?
そう思ってゆきちゃんを見ると、だいぶ驚いたのか完全に固まってて石像みたいになっていた。
そして口を開き、発した言葉…。
”ルナ”
男の人ではあまり聞かない名前だった。
でも珍しいとか、そういう問題じゃないというか
何だろう、よくわからないけど
すごく不思議な気分だった。
男の人は仕事中らしく、同じくらいの身長のマスクをした人が隣に立っていて、彼もまたウチと同じように不思議そうな顔をしていた。
マスクで表情があんまりわからないから、
あくまで多分だけど。
っていうことはルナというのもまた、目の前にいるお兄さんの本名とは異なるのだろう。
ってことは
…………どういうこと?
ゆきちゃんと、ルナっていわれたお兄さんは二人の中でだけ通じるあだ名で呼び合ってるの?
親密な関係過ぎない?
でもそれにしたら、ゆきちゃんの表情が硬い。
それくらい仲が良ければ、高木っちやウチに向けるような自然な笑顔が出るとも思うけど……。
うーん、気になる。
後ろの男の人もウチと気持ちは同じなようで、
こそこそとルナって人に話しかけてる。
だからウチもタイミングを見計らって、ゆきちゃんに聞いてみた。
「あの男の人、知り合いなの?」って。
すると、ゆきちゃんはどこか気まずそうに
そして苦笑いを浮かべて
ウチの耳元に口を寄せる。
「えっと……あの人ね、元彼なんだ……。」
「ええええええええぇぇぇぇぇええ?!??!?!」
ウチの声は多分駅の人がみんな振り返るくらい響いたと思う。
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