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渡辺side‥₂
「…え?」
慌ててスプーンを拾い上げ、もう一度聞き返す。
ゆきちゃんが、高木っちに気持ちを伝えるーーー…?
「だーから、高木先生に告白するって言ってんの!」
真面目な顔して話してるけど、少しだけ顔が赤いゆきちゃん。しっかりと目を見て、”告白する”と本人以外の人に
宣言するゆきちゃんは、本気で、覚悟を決めているんだと思った。
ウチは関係が崩れるのが怖くて…なんて言い訳をしているのに、同じ職場で毎日顔を合わせるゆきちゃんは
前に進もうとしている。
ウチと違って、強い心を持っていて
不安と戦って、それでも決意したゆきちゃんは凄い。
「…………ほんとに?!え!頑張って!!
頑張れゆきちゃん!うまく行ったらウチに1番に報告してよね!!ヤバい。ドキドキして来ちゃったよぉ…っ」
「……ねぇ、心ちゃんてばやっぱりアホだよね…。」
何故かため息をついて、テーブルに肘をかけ、頬杖をつくゆきちゃん。
え、アホ?なにが?
必死に考えてみるけど答えはわからない。
でもそれを見透かしたように呆れた顔をするゆきちゃんは
温かい笑みを浮かべてて、ウチも釣られて笑ってみた。
「何笑ってんの、もー…。
普通さぁ、恋敵に全力でエール送る子いる?」
あ、そういうこと?
そんなの当たり前だよ!だってウチには出来ない事を
やろうとしてるんだから。
逆に、それを邪魔しようなんて嫌な奴いるのかな?
頑張ってる人は応援したい。
頑張れるように手伝いたい。
それが例え、同じ人を好きだったとしても。
汚い真似をしたところで、高木っちの気持ちは変わらない
高木っちは高木っちだから。
それに…。
「ウチら確かにライバルだけど、それ以前に親友じゃん?親友の一世一代の大告白を応援しないとか有り得ないから!」
ゆきちゃんの両手をグッと引き寄せ、ウチの両手で
包み込む。
包み込むなんていっても、ゆきちゃんの手の方が当たり前に大きいから、長い指を覆うので精一杯なんだけど。
「もーーー。心ちゃんほんっっっとお人好し!
いつか壺売りつけられそうで心配!」
「え〜?!何それ買わないし!!」
「……でも、それが心ちゃんのいい所だよね。」
小さな声で呟いたゆきちゃんの言葉はうまく聞き取れなくて、なに?って聞き返したけど何でもないと流されてしまった。
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