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(一方その頃、康明さんのお話)
朝、と言っても昼だけど。
起きたら幸人からメッセージが来ていた。
幸人の飯を食べられないのは辛いが、今日は生徒に
誘われた打ち上げもある。
少しだけでも作ってもらおうかと悩んだが、もし食べきる事ができなくて幸人を悲しませたらいけないと
食べられない旨を伝えた。
読み返すと本当に愛想の欠片もない文章。
これでは幸人を更に悲しませないだろうか。
まあ返信が来たら、打ち上げに呼ばれている、と
しっかり伝えてやろうと思っていた。
…………なのに。
返事がねえ。
いつもの幸人なら秒で既読がついて3分以内には返信を
くれるんだ。
そんなに傷つけただろうか。
悪かった、そうじゃないんだと説明したほうがいいものか
………いや、でもそれは友人としての距離感は保てているのだろうか?
仕方なく、何も返す訳でもなくスマホを眺める。
一向につかない既読に、最後に送った自分の素っ気ないメッセージ。
そこで、ふと気付く。
幸人が今日、どこで、何をしているのかを。
……んだよ。渡辺と遊ぶのが楽し過ぎてスマホなんて
見てられませんってか?
そうかよ。
………くそ、ふざけんな。
ソファに向かって思い切りスマホを投げつける。
ぼふっと間抜けな音を立てて落ちたそれが、一瞬光った。
………まさか!
さっきまでの不貞腐れた態度と一変
期待に胸を弾ませながら慌てて画面を開く。
『★今日の詳細★
場所:〇〇駅前□丁目 ✕✕屋
時間:集合〜〜〜』
詳細の連絡を完璧にまとめ上げてくれた
クラス委員の親切心が、とてつもなく迷惑だった。
ため息をつき、最後にもう一度だけ、と
トーク画面を開く。
いつの間にか付いていた既読に
返ってくる気配もない返信。
ふつふつと湧き上がる怒り
怒りよりも強いのは悲しみ
幸人が俺を優先してくれていない
あぁ、どうしてこんなに虚しいんだろう
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