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さっきまで一緒にいた幸人と渡辺が、今、並んで店に入ってきた。
一日中一緒にいるってか。
そう思うといらだった気持ちが拍車をかけるように募り積もって
奥に入っていこうとした幸人の腕をとっさに掴んで引き寄せる。
思わず起こした行動は無意識だった。
「おい、ここにいろ。」
「…え?」
その瞬間のしんと静まり返った空気と、幸人の焦った口調が俺を現実に引き戻す。
しまったと思うにはもう遅くて、顔を赤らめた幸人
何人かのはやし立てる声。
「…いや、氏原先生タバコ吸うでしょう。
こっちに居た方が外に出やすいかと。」
「あ………そう、そうですね!確かに!
お気遣いありがとうございます高木先生。」
幸人の対応に胸をなでおろす。
生徒たちも納得したのか場は賑やかさを取り戻した。
開始時間になって店員がドリンクを聞きにやってくると、皆それぞれジュースやお茶を頼みだす。
「じゃあ僕はウーロン…「俺らは生2つ。」」
幸人が何か言いかけたのを無視して強引に注文を入れた。
隣で目を見開いてこちらを見てくる幸人なんて無視だ。
渡辺と一緒に来た時点でこいつが車なことくらい容易に想像がつく。
けれど、そのままこいつが飲まなかったら渡辺や、それ以外の生徒も幸人の車に乗りたいと騒ぎ立てるかもしれないから。
「ちょ…高木先生、僕今日車…」
「あ?んなの代行でも何でも使えばいいでしょう。
家までもそんな遠いわけじゃあるまいし。」
ろくに目も合わせず、ぶっきらぼうに答えると
幸人はシュンと肩を下げて、はい。とだけ呟いた。
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