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甘い君③
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「いッ…!!」
喉からヒュッと乾いた息が漏れる。
本当に食べられてしまうのではないか、
そう思うほど皮膚に歯が食い込んで、酷く痛みを伴った。
赤く痕になっているであろう歯型を舌先でチロチロと試すように舐められる。
その緩急に耐えられず力が抜けた俺は、ほとんど真堂に身体を委ねている状態だった。
「っはぁ…も、やめ……」
「やめないよ」
谷底に突き落とされたような絶望感。
脇を抱えて再び立たされ、定まらない視点を真堂に移す。
シャツのボタンが外され、どんどん露わになっていく俺の肌に、彼がキスマークを落としているのが見えた。
微かに反応した下半身を手の甲で押し上げるようになぞられると、微弱な快感が腹の底でズクンと生まれる。
「苦しい?どうする?」
「どうもしなっ…ァ、んんっ」
「素直になりなよ」
ズボンの上から形を確かめるように性器を上下に揉まれ、呆気なくそれは硬く芯を持ち始めた。
絶対に下着の中で果てたくないという意地と、甘美な誘惑に負けそうな自分と闘っていた。
窮屈そうに勃起する性器を、いくら人気のない場所とは言えあられもなく出すのは嫌だ。
どうしよう、と足りない頭で考えていると真堂が仕方ないとでも言いたげに俺のベルトを緩め始めた。
「な、にすんだよ…」
「辛そうだから、抜いてあげる」
「なっ……?!」
下着の中にひんやりとした真堂の手が突っ込まれ、驚いて小さな悲鳴を上げた。
先走りを零していた性器を柔く握って再び上下に扱けば、どこか心の奥底で感じていたもどかしさは無くなり、満たされた気持ちにさえなるのが恐ろしい。
ゆるゆると腰も揺れ出してしまう。
「腰揺れてるよ、気持ち良いの?」
「きもちくなっ…ぃ……」
「嘘つき、こんなに硬くしてるのに」
親指で鈴口を擦られれば、またすぐに膝がガクガクと震えて。
やりづらい、と真堂は胡座を崩したような姿勢になって座り、俺の腕を取って目の前に座れと指示した。
必死に抵抗したが、適わない。
彼に包まれるような形で腰を下ろすと、間髪入れずに先程の手淫が再開された。
「ッあぁ!ゃ、だっ…ン、……!」
「ふふ、もうパンパンだね…イきそう?」
イエスやノーという意味ではなく、もうやめてくれという意味で力なく首を振ると、
益々速度を増して性器を扱き始めた。
「やっ…やめてっ……!」
「何で?好きでしょ?」
「っァ……、違う…ん、はぁ、あっ……」
粘着質な音が一層響き、身体の奥からせり上げてくる熱が止められない。
真堂の手の中で膨らんだ性器がドクドクと脈打つ。もう限界だった。
「……早く挿れて欲しくて仕方ない癖に」
そんな時、耳元で掠れた声でそう囁かれ、何かが明滅して壊れる感覚がした。
大きく喘いで仰け反りながら彼の手のひらに白濁を吐き出すと、『いっぱい出たね』と幸せそうに微笑まれる。
そして、未だ悦楽の余韻に浸り震える俺の耳や首筋に、優しいキスの雨が降った。
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