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笑えてるのが不思議で(Dグレ)
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アレン独白
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どうして自分なんだろう。神は、僕に何を望んでいるの。
イノセンスを生まれながらに宿したその身に、ノアの記憶が宿っているだなんて、なんてちぐはぐな存在なんだろう、僕は。
仲間だと、家族だと言ってくれた人たちに裏切り者と罵られようとも、以前の自分ならば何とも思わなかったろう。しかし、皆と過ごしていくうちに、頑なだった心が溶かされていて。ーーー今は、こんなにも辛い。
化け物、消えろ、死んでしまえ。そんな言葉は耳が腐る程浴びてきた。でもそれが当たり前だったから、笑って受け止めることができた。
でも、仲間だと、優しい言葉を沢山かけてくれた人たちに。
嫌われるのは、怖かった。
心はこんなに悲鳴をあげているのに、口から出るのは「大丈夫」
どうして、笑顔で言えるのか。自分でもわからない。
大切なものなんて、もう作らないと決めた。なのにできてしまった大切なものが、壊れていく。そんな中で、僕は笑うんだ。おかしいな、おかしいよ。
「どちらかだけなら、まだ素直に受け入れられたのに」
「……どうかしたさ、アレン」
「いいえ。大丈夫ですよ」
「…気にしなくていいの。…でも、辛かったら泣いてもいいのよ」
「……ありがとう。大丈夫です、リナリー」
気にしない、なんてことはできない。僕だって人間だ。でも、だからこそ。
それでも仲間だと笑ってくれる彼らのために。泣かないと、決めた。
ああ神様、残酷な神様。
僕が、もしほんの少しだけでも救われて、許されるなら。
どうか、どうか笑顔を。自分すら騙せる、完璧な笑顔を、僕にください。
(そして道化師は 滑稽に笑う)
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