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終わらないものがあるなら(Dグレ)
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真っ白。
どこを見たってただただ白いだけの空間。
足に重みがかかっている感覚から辛うじてそこに地があるのだとわかるけれど、それすらも曖昧で。
自分がどこにいるのかもわからなくて。どうしてこんなところにいるのかも、思い出せない。
ティム、リナリー、神田、ラビ、と知っている者の名前を呟いてみる。何の反応も変化も無かった。
……マナ。
最後に呟いたその言葉に呼応するかの如く、何もかもが曖昧だった空間に色がついた。
瞬間、あぁ、これは夢だ、と。
マナが、笑っている。これは、近いようで遠い過去の記憶だ。だってこれは、僕のではない。きっと、きっと、誰より長くマナと共に過ごした、彼のもの。
涙なんか出ないけれど、それでも彼が感じていたのであろう胸を締め付けられるような感覚に、目頭が熱くなった。
終わらないものがあるなら
(こんな幸せな夢を、いつまでも彼に見せてあげられたら)
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