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日頃の運動不足がたたって…いや、あの人間離れした成田の脚力のおかげで俺は初めてなくらいに呼吸を乱している。
俺達が逃げ込んだのはどうやら第二グラウンドの体育用具倉庫のようだった。
薄暗いその中はなんか全体的にザラザラとした手触りで…ってこれ多分土とか砂とかなんかなんだろうな。
とにかく色んなもんが汚くて色んなもんがメチャクチャに突っ込まれてて……どうしようもなく汚ねぇ場所だった。
「…埃っぽいねここ。」
「ああ、全くだ……じゃねぇよ!成田、お前大丈夫なのか?」
狭い汚い倉庫の奥に向かっていくヤツの背中に声をかければ俺の声が聞こえないのかこのアホワンコはなんかをブツブツ言いながら更に奥に向かって進んで行く。
俺はそのあとを追ってヤツの後ろについて。
「おい!聞いてんのかよ!」
「ん?聞いてるよ。俺は平気だよ。」
くるりと振り向いたヤツは奥の小窓から差し込む光を浴びながらいつもの顔で笑った。
でも今日の俺はいつもみたいには流さない。
そのニコニコ顔には騙されない。
「お前、先輩らとなんかあったんだってな。」
少し低めの声で問うと倉庫内を見渡してた成田は一瞬動きを止めてからまたその続きを始めた。
「おい、聞いてんだろ。」
「別になんもないよ。」
「なんもないってことねぇだろ。でなきゃあんな風に上級生が来たりとかなんて…」
「だからー、なんもないし。」
「成田!」
「つーかさ!」
食い下がる俺の声を成田の強い声が遮る。
「前に俺が圭ちゃんにバイトのこと聞いた時、圭ちゃん答えてくれなかったよね?なのに俺は圭ちゃんの質問には言いたくないことも全部答えなきゃなんないの?」
こっちに背を向けたまま成田の声だけが倉庫の中に響く。
俺は…初めてのヤツからの言葉に返事を返すことが出来なかった。
「俺は圭ちゃんが好きだから圭ちゃんの言うことは全部聞いてきたよ。好きだからずっと側にもいたし。でもだからって…俺になんも教えてくれないとかそーゆーのは…ちょっと普通に傷付くよ。」
「……。」
いつも側にいるからそんな風に思ったこともなかった。
いつも俺の側から離れないから…そんなこと感じないだろうってどっかで勝手に思ってた。
でも…そう、だよな。
「…悪かった。」
「え?」
光に照らされてる成田は怒ったような顔付から急に目をまん丸く見開いて、謝った俺をガン見する。
「バイトのこと言わなかったのも聞かれても返事しなかったのも、悪かった。」
「え…ちょっと圭ちゃん??」
「お前に言うと絶対邪魔されると思ったし絶対毎日バイト先に入り浸るだろうしって思ったから言いたくなかった。」
「あの…ハッキリ言われた方が余計に傷付くんだけど…」
「は?だってお前が言ったんだろ!教えてくれなかったって、たった今!」
「いや、だからね…」
心底困ったような成田の顔が笑える。
自然に緩む俺の頬に気付いたのか成田は顔を赤くして頬を膨らまして…まるでガキの頃みたいな少し拗ねたような顔付きになった。
「意地悪いなぁ…圭ちゃんは。」
「なんで。俺はお前が言ったから譲歩して…」
「そういうことじゃなくて…」
言いながら戻ってきた成田は俺の真ん前にきて俺を見下ろして黙る。
何事かと思って何らかの言葉を待ってると…薄暗い中でヤツは苦笑いをして。
「俺のセリフ、聞き流したっしょ?」
「は?」
…と、わけのわからんことを言った。
「なんで。聞き流してねぇだろ。お前の要求通りにちゃんと答えただろうが。」
「いやだから…そこじゃないから。」
「は?どこだよ!」
「…あのねぇ…」
憤る俺に更に渇いた苦笑いを向ける成田。
増々わけがわかんなくなって俺は段々とイライラし始める。
「わっかんねぇよ!ハッキリ言えよ俺がなんだって…」
「好きって言ったでしょ。」
「は?」
「俺、圭ちゃんが好きって言ったでしょ。しかも二回も。」
真顔で言われて今度は俺が目をパチクリ。
「そんなん言葉の“アヤ”だろ?」
「言葉のアヤなんかで男が男に好きとか言わないっしょ?フツー。」
「言うだろうよそんくらい。」
「だからその好きとは違うんだってば!」
眉を寄せる俺に向かってガチな溜め息をつく成田。
なんだかそんな様子もムカつくな。
「つーかそんなことよりさっきの…」
「圭ちゃん、キスしていい?」
「は?」
聞き慣れない単語に脳ミソが固まった瞬間。
見上げていたヤツの顔がグンと近くなって…。
「…っ……」
俺の唇に…
成田の唇が…重なった。
初めてのキスが…男とだなんて。
しかもそれが…この成田だなんて。
これは…夢か?
しかもかなり残念な…
…じゃなくて!
「んっ、は…テメェ…なにしやがる!なんの嫌がらせだっつの!」
「え!?マジで言ってんの圭ちゃん!?」
怒る俺を見下ろして青ざめる成田。
ヤツは自分の顔を掌で隠して…のけ反って。
「キスしたのにこんな扱い!?」
「キスとか言うな!こんなのカウントに入るかよ!事故だろ!」
「だからぁ…」
掌を外した成田の顔は泣きそうだった。
すると……
眉を寄せる俺を見下ろすヤツの目が、段々とすわってきて…。
「こうなったら、実力行使だ!」
「おっ、おい!?ちょ…っ…!」
ボスッ!
背中への強い衝撃に一瞬息が止まった。
目を開け…る……と、
………ん?
「おい。」
「ん?」
「こら成田。お前一体なにし…っ!?」
いきなり股間が鷲掴みにされて驚いて身体を起こす。
…けど…。
「おい、マジで…っ…テメェ…」
「動けないっしょ?」
「やめろ…!」
「気付いてないわけじゃないよね?圭ちゃんはもう腕力で俺には勝てないよ。」
「っ……くっ…」
カチャカチャと音がしてすぐにそれがズボンのベルトのものだと気付く。
…って、コイツ…マジか!?
両手首が頭の上で一掴みにされて腕の動きは封じられてて下半身にはヤツの体が乗っかってる。
そのおかげで身動きひとつ出来やしねぇ!
「マジ…ってめ…」
「圭ちゃん…ホラ、わかる?俺の手の中、圭ちゃんのがビクビクしてるよ…」
「るせっ!だ、まれ…っ…!」
「すご…ぬるぬるしてきた…」
パンツの中に入ってきたヤツのデカい手が俺のモノを握って上下に扱き始める。
コンナ知識くらい俺にだってある…けど、実際誰かに触られるとか…ナイから…っ…。
「キモチいい?圭ちゃん…」
「んっ…く……やめろ…っなり、た…」
「俺の、わかる?」
「!」
太ももの辺りに硬いのが押し付けられてそれが成田のモノだって気付いて一気に体温が上がる。
「やめ…って、も…なりたっ…マジ…」
「俺の本気、わかってくれた?」
「わ、わかっ…で、出るっ、バカ、やめっ…!」
俺のを扱く手が早まり太ももに擦り付けられている成田のモノの滑る速度も早まっていく。
いつの間にか外されていた両腕をヤツの首に回して強くしがみついて…。
「ん!はぁ…っ!」
「けい…っ…!」
きつくつぶった瞼の中でチカチカといくつも星が弾けた。
同時にパンツの中が生暖かいぬるぬるとしたものでぬめり出して……即座に我に返る。
「くっそ!この…成田っ!テメェ!」
「え!そこはまだ余韻に浸るとこでしょ!?」
自由になった腕を振り回して上に乗ってるヤツを殴りつけるとデカい体がいい具合にぐらついた。
「どけ!」
「ちょっ、危な…っ!」
起き上がって突き飛ばし、後ろに倒れたヤツを睨みつけながらズボンとパンツを引き上げて出口に向かう。
グズグズになってるパンツの中が気持ち悪ぃけど…やっぱノーパンってのもなぁ……じゃなくて!
「おい成田!テメェなんのつもりだよ!こんな嫌がらせとかよ!」
「まだ言う!?どんだけ鈍いの圭ちゃん!」
「俺は確かにお前のコトうぜぇとか思うけどこんなことされるほど…」
「うぜぇとか言うなってー!だから、違う!嫌がらせじゃなくて…」
振り返ったすぐ前にきてた成田は俺を見下ろして苦い顔をした。
「嫌がらせじゃないよ。好きなの、わかる?」
「はぁ!?」
「好きなの、圭ちゃんが。圭ちゃんを俺だけのものにしたいの。圭ちゃんの身体中にキスしてコレしゃぶって、圭ちゃんのココに…俺のを挿れたいって思ってんの。」
俺の前とケツの穴を布越しに触りながら言って成田が抱きしめてくる。
熱い吐息と共に吐き出されたそのセリフにボツボツと鳥肌が立った。
コイツ…
何言ってんの!?
返事をしない俺をどう思ったのか成田はスッと腕を引いて体を屈めて。
「ごめんね圭ちゃん。言うつもりなかったんだけど…」
「言うつもりなかったら一生黙っとけよ…」
「その間に誰かに盗られちゃったら困るから無理。」
「あのなぁ…」
「圭。」
いきなり名前を呼ばれて身体がビクつく。
強く掴まれた腕が引かれてヤツの胸の中に引き込まれた。
「なん…」
「嫌なら本気で拒んでよね。俺は拒まれても告り続けるし拒まれてもやるけど。」
「なに言ってんだお前。ヤロー同士とかキメェよ。」
「そう?でもさっき圭ちゃんは俺の手でイッたんだよ?キモかったらまず勃たないんじゃない?」
耳元に寄せられたヤツの声が低くそう呟く。
言葉を失った俺を見下ろしたヤツは黒い笑みを浮かべると…口の端を上げながら俺の唇にキスをした。
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