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男の子は、僕の肩よりも小さくて、フワフワの茶色い髪の毛をしている。僕をジッと見つめる目の色も、髪の毛と同じ茶色だ。
僕の前に立って、何も喋らないで見つめてくるその子に、僕の方がお兄ちゃんだから仕方ないと立ち上がって、ニコリと笑ってみせた。
「こんにちは。僕は青藍って言うの。君の名前は…、えと、たか…?」
「たかきよ!たかきよだよっ!せいらんっ、あそぼっ」
恥ずかしくて何も喋らないのかと思っていたら、いきなり大きな声を出したから、ビックリして固まってしまった。
そんな僕にはお構いなしに、たかきよくんは、僕の両手を握ってニコニコしながら見上げてくる。
僕が困って凛を見ると、凛は両手を口に当てて、プルプルと肩を震わせていた。
「かわっ…!可愛いんですけど…っ」
「いや、ホントに。うちの子が可愛いのは当然なんだけど、青藍と並ぶと堪んねーな!」
「そこの親バカのお二人、可愛いのはわかったから。ほら、青藍が困ってるよ」
浅葱に言われて、凛が、僕とたかきよくんの傍に来てしゃがみ込んだ。
「たかきよくん、青藍お兄ちゃん、好き?」
「うんっ、すき。ぼく、せいらんと、あそぶっ」
「ふふ…」と笑って、凛がたかきよくんの頭を撫でる。もう片方の手で、僕の頭も撫でて、「青藍、天清くんが、青藍のこと好きだって。仲良くしてあげて」と首を傾けた。
僕は、たかきよくん、僕の両手を握る小さな温かい手、凛の顔を順番に見て、もう一度、たかきよくんを見る。
ぷっくりとした頬っぺの丸い顔に、キラキラとした大きな目。僕も「パッチリした大きな目だね」とよく褒められるけど、たかきよくんも大きな目の可愛い顔をしている。
その目にジッーと見つめられて、僕はなんだかおかしくなってしまい、ププッ!と吹き出してしまった。
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