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再会 1
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「青藍っ、いるんだろ?」
「なに?柚葉、うるさいんだけど…」
ガラリと勢いよく扉が引かれて、柚葉が大きな声を上げながら入って来る。
ゆっくりとベッドから身体を起こす僕に近づくと、ドカッとベッドの端に腰を落とした。
「なに?また肩が痛くなった?」
「まあ…、いつものことだよ。貼り薬を貼って治ったんだけどさ、眠いからついでに休んでた」
「はあ?あのおっさん、青藍だけ特別扱いしやがって!そんなことしても青藍は靡かないっつーの!」
「おい、おっさんって誰のことだ」
缶コーヒーを片手に、白衣を着た長身の男が入って来る。ベッドに近づき、チラリと柚葉を見て苦い顔をした。
「おい、三ノ瀬、用もない奴が保健室に来るな」
「ああ?俺は青藍を迎えに来たんだよ。あんたこそ、青藍が寝ている間に変なことしてないだろうな」
「俺をバカにしてるのか?そんな卑怯な真似はしない…」
先生の身体から冷気が立ち上がり、黄色い瞳が怪しく光り出す。
俺は大きく溜息を吐くと、ベッドから降りて二人の間に立った。
「朝霧先生、生徒相手に本気を出さないでよ。柚葉も、わざと挑発するようなことを言うのはやめて」
「だって、こいつムカつく…」
「ああっ?俺だっておまえは嫌いだ…っ」
「なんだとっ?」
「やめろって言ってるだろっっ!」
「「……っ!」」
僕が大声で叫ぶと、二人がピシリと固まってやっと静かになった。
僕は、ベッド脇の棚に置いてあったブレザーと鞄を手に持つと、ゆっくりと部屋の出口に向かう。
扉の所で中を振り返って、フッと息を吐き出す。その瞬間、二人の身体が動くようになったらしく、柚葉が慌てて僕に駆け寄り、朝霧先生は何か言いたげに僕を見た。
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