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襲撃
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天清と再会して、僕の毎日がとても楽しくなった。
毎朝一緒に登校して、帰りは家まで送ってもらう。そして時おり、週末に泊まっていく。
そんな平穏な日々を過ごし、熱い陽射しが照りつける季節になった。
ある日、天清が委員会で遅くなると聞いて、先に一人で帰ることになった。
今日は金曜日で、天清が家に泊まる予定だったから、早く帰って掃除と夕飯の準備をしようと思ったのだ。
なるべく日陰を選んで歩きながら、額に流れる汗を拭う。
僕は汗をかくのが苦手で、『早く帰って涼みたい』と熱波で揺れる道路を見つめて歩いていた。
ふと、僕の前の地面に人の影が映り、不思議に思って顔を上げる。数メートル先に、険しい目で僕を見る若い男が立っていた。
あまりにも睨んでくるから、足を止めて声をかける。
「あの…何か?僕に用ですか?」
「…そうだ。おまえに用がある。少しついて来てくれるか?」
「はあ…」
クルリと向きを変えて進む男の後ろを、仕方なくついて行く。
ーー知らない人にはついて行くな、って、子供でも知ってるのに、何で僕はついて行ってるんだろ?まあ、何かあったとしても、僕は強い。それに、この男は人間だ。まいて逃げることも容易い。
「早く帰りたかったのに…」
僕はそう、小さく呟いて、男の背中を見た。
数分歩いて、男はある大きな家の中に入った。
僕も躊躇いながら、男の後に続く。
入ってすぐの所で足を止めて、男が僕を振り返った。
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