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勉強をサクサクと終わらせた僕は、椅子に座って冷たいほうじ茶を飲んでいた。
少し雑談した後に勉強を始めたのだけど、天清は集中力がないのか、すぐに僕の邪魔をする。
頬ずえをついて僕の顔を見つめたり髪を触ったり。僕がチラリと見ると、手を引っ込めて慌てて本のページをめくるフリをする。でも数分したら、また僕の手や頬に触れてくる。
そんなことを何度か繰り返されて、僕は天清を睨みつけた。
「天清から一緒に勉強しようって言ったんだろ。これ以上邪魔をしたら帰ってもらうから」
「う…っ、ご、ごめんっ。ちゃんと勉強する…」
僕の少しイラついた声にシュンとして、天清は、やっと真面目に勉強をやり始めた。
そりゃあ僕だって、全く相手にされないよりは、触れてくれる方が嬉しい。天清の全身から『大好き』が溢れ出していて、抱きしめたいくらいに嬉しい。でも、やるべき事をちゃんとやってからにして欲しい。勉強をする時はしっかりと勉強をして、それから思いっきり触れたい。
そう考えてしまう僕は、頭が固いのかな…。
思えば、あんなに厳しく見える銀おじさんも、常に凛に触れようとする。…いや、思いっきり触ってる。
そんな時の凛は、口では「もうっ」と怒るけど、顔を赤くして嬉しそうだ。
というか、もう二十年近く一緒にいるのに、まだ恥じらいを見せる凛が本当に可愛い。
銀おじさんも、そんな凛が愛しくて堪らないみたいだ。
僕も、ダメと怒るんじゃなくて、凛みたいに素直になった方がいいのだろうか…?
「…青藍、青藍?」
天清に呼ばれて、ビクリと肩を揺らす。
「どうしたの?眠い?」
「…いや、ぼんやりしてた」
天清が、笑いながら傍に来て、僕の隣の椅子に座る。
僕は席を立ってキッチンに行き、冷蔵庫からほうじ茶を出すと、グラスに氷を入れて注いだ。
「はい、どうぞ。結構頑張ってたね」
「ありがとう。うん、久しぶりにすごく集中したから疲れたよ」
天清にグラスを手渡すと、天清は、一気に半分飲み干した。
久しぶりに集中した…って、日頃どんだけ注意力散漫なんだよ…と可笑しくなり、僕はふふ、と笑いを漏らす。
僕を見て首を傾げた天清が、つられて笑いながら顔を寄せてキスをした。
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