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「あ…ごめん。凛は蛇が嫌いだった?」
蛇が苦手な人間って多いしなぁ、と思っていると、「あいつ、嫌われ者だな」と天清が隣で笑う。
「…大丈夫。苦手っていうか、蛇の妖に噛まれたことがあって…」
「はあっ!?なにそれっ!?それも初めて聞くんだけど!」
再び僕が勢いよく立ち上がると、天清がまた僕の肩を押さえて座らせる。
「本当にどれだけ危ない目に合ってるんだよっ!」と、僕は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ご、ごめん…。高校の校外学習に行った時に、蛇の妖の縄張りに入っちゃってね、ほんの少しだけチクリと…」
「凛が謝る必要は無いよ。僕は、凛を守らなかった銀おじさんに怒ってるんだ」
「いやっ、だから、校外学習だから銀ちゃんとは離れてたんだよ。でもすぐに駆けつけて治してくれたよ?」
たとえ後で治したとしても、その時に凛は苦しい思いをしてるんだ。僕の初恋の、今でも大好きな凛が、こんなに辛い目に合ってきたなんて…っ。
テーブルに置いた僕のプルプルと震える手に、凛がそっと手を重ねる。
「青藍、俺の為にそんなに怒ったり泣いたりしてくれてありがとう。でも、いろんなことを乗り越えてきたからこそ、今の幸せがあると信じてる。だから、大丈夫だよ」
「凛…」
凛と呟いた僕の声が、震えていることを不思議に思っていると、天清の大きな手で頬を拭われた。
「青藍は、本当に凛さんが好きなんだな。ちょっと妬ける…」
僕は感情が昂って、知らずに涙を流していたようだ。 天清の手に擦り寄って、僕は素直に頷いた。
「青藍は可愛いね。それで、その先生がどうしたの?」
「あ、うん…。先生に十五年前のことを聞いてたんだけどね…」
鼻水をティッシュで拭くと、僕は先生から聞いたことを凛に話した。
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