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「…憎い…こともない…。少なくとも、おまえらはな…」
「こらっ、舜!おまえこの前、青藍くん達と同じ学校に転校したいなぁって言ってたじゃないか。青藍くんや天清くんと仲良くなりたいんだろ?」
「はあっ?」
谷田部さんの言葉に、舜くんは真っ赤な顔をして谷田部さんを睨んだ。
「何言ってんだよっ。いい加減なこと言ってんじゃねぇぞっ!」
「はいはい、素直じゃないよな、舜は…」
「は?」
耳まで赤く染める舜くんに、僕は微笑みながら言う。
「舜くんが来てくれたら嬉しいよ?でも、舜くんも僕と同じ三年だろ?あと半年で卒業だし難しいよね…。あ、そうだっ。じゃあ、僕と同じ大学に行かない?」
舜くんが、今度はギロリと僕を睨む。
また怒るかも…と首を竦めると、予想に反して舜くんは照れて俯いた。
「まあ…おまえがどうしてもと言うなら…?一緒の大学に行ってやってもいいけど…」
「え?あ、うん!じゃあ同じ大学に行こうよ。知らない人ばかりの中に、舜くんがいてくれると嬉しいしっ」
「…おう」
僕が笑って舜くんと話していると、隣から冷気が漂ってきた。
ああ…こっちが拗ねちゃったか…と振り向くと、天清が鼻息荒く舜くんを睨んだ。
「ダメだっ!俺が青藍と同じ大学に行くんだ!舜っ、青藍は頭がいいんだぞっ。おまえじゃ同じ大学なんて無理だっ!」
「はあ?てめえっ、ふざけたこと言ってんじゃねえっ!こいつが行くレベルの大学なんて余裕だっ」
「嘘ついんじゃねーぞっ!」
「嘘じゃねえっ!」
「ちょっとっ!二人ともっ!」
腰を浮かして今にも掴み合いが始まりそうな雰囲気に、僕は慌てて二人を止めた。
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