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「舜!偉そうに言うんじゃないっ。はあ…、青藍くんも天清くんもごめんね。舜は照れてるんだよ」
「おっさん!適当なこと言ってんじゃ…いたっ!」
谷田部さんが仏のような優しい顔をして、舜くんの耳を強く引っ張った。
もしかして、怒らせると谷田部さんが一番怖いのかもしれない…と、僕と天清はそそくさと居住まいを正した。
「まあまあ谷田部さん。舜くんはきっと、青藍くんと天清くんが気に入ったんやな。あれや、ツンデレとか言うやつ。舜くん、天清くんは青藍くんが好きやから突っかかる言い方するけど、ほんまは優しいええ子やで?というか、君たち皆いい子やなぁ」
「は?あんたまでふざけたこと…いたいっ!さっきから痛てぇよっ。離せ!」
「倉橋さん、すいません。口が悪くて申し訳ない」
「いやいや、ええよ。これぐらい威勢がある方が可愛らしいわ」
谷田部さんが舜くんの耳から手を離して、倉橋さんに頭を下げる。
倉橋さんは、笑いながら舜くんを見た。
僕は、壁にかけられている時計を見て、天清の腕に触れる。
首を傾げて僕を見た天清も、時間を確認して腰を浮かせた。
「倉橋さん、僕達帰ります。これから藤隠が来るので。ご馳走様でした。お邪魔しました」
「ご馳走様でした」
僕と天清が挨拶をすると、倉橋さんも腰を浮かせた。
「そうなん?ほな気をつけて帰りや。その藤隠くんやっけ?今度はその子も連れておいで。藤隠くん、寂しいやろうし仲良くしたりや」
「はい。ありがとうございます。谷田部さん、失礼します。舜くんまたね。今度は僕の家に来て」
谷田部さんにお辞儀をして舜くんに手を振る。
舜くんもつられて手を振りそうになって、慌てて「またな」と言ってそっぽを向いた。
その様子に僕は笑って、天清は渋い顔をして、倉橋さんの神社を後にした。
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