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花奈くんの日常
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「あぁ。ヤッベ。………朝から余計なのに構ってたら遅刻しそうなんだけど。もう、サボるか」
「出席日数。ギリギリなの忘れたのか?」
「お、蜜じゃん。何、お迎えに来てくれたのかな?」
「気持ちの悪い喋り方するな。」
薄いフレームの眼鏡をくいっとあげる蜜に近づいて尋ねると、ばっさりと切り捨てられ顔面に向かって地面に落ちていた鞄を押しつけられる。
「………………っ。ひっでぇの。」
「それより、また随分と派手にやったみたいだな。」
のびている連中を見下ろしていた蜜は俺へと視線を移すとじっと俺を見つめる。
「何?俺の顔になんかついてる?」
「いや。さっさと行くぞ」
「なぁ、腹減ったんだけど。………………サボっていい?」
「ふざけんな。」
「じゃあ、何か買ってよ。蜜お坊ちゃん。お腹減って可哀想な俺に。」
顔を鷲掴みされ、殴られたせいか切れた口の中がピリリと痛む。
「痛いんだけど?__________蜜。殴られたくなかったら離しな。」
「どうせ、殴らないだろ。」
「はは、可愛くない。」
離れていった蜜の手を数秒目で追って、忘れていたと後ろの伸びている連中から百足(ムカデ)の刺青を入れた奴の胸ぐらを掴んで財布を抜き取りながら伝えた。
「おたくの若頭(ぼんくら)に伝えといてよ。…………また、愉しませてくれよ、ってな。」
俺を見るヤクザさんの目が、恐怖に染まっていて薄ら笑いが溢れてきた。
「そういうのは、虐めたくなるけど興奮はしないんだよな。」
もう一発、殴っておくかと思っていたら蜜の熱烈な視線を感じて掴んでいた手をするりと離す。
「そんなに、殺しそうな目で見るんじゃねぇよ。」
「見てないだろ。」
「あぁ、そっか。また、俺の気のせいか。」
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