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二人暮らし始めます!!! ー秀ー
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ひたすら清四郎と話して、甘えて、抱き締めあって、キスをして…。
気がついたら朝だった。
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
時計を見ると、8時を過ぎた頃。
この時間に起きる癖は、橋本家で体に染み付いたらしい。
「……。」
自分を抱き締めるようにして眠っている清四郎は、まだ規則正しい寝息をたてていた。
完全に目が覚めてしまったようで、二度寝できそうにない。
スルリと清四郎の腕から抜け出してベッドを出た。
久しぶりに朝ごはんでもつくろーかな。
そう思って顔を洗ってからキッチンに行ったものの、冷蔵庫の中身と言えば、何種類もの酒とおそらくつまみとなるものばかり。
ここでの食生活は疎かだったようだ。
「秀。」
キッチンを物色していると背後で名前を呼ばれ、少々驚いた。
キッチンの入り口で寝起きの髪を掻き上げながらこちらを見る清四郎。
「腹減ったのか??」
「違うよ。
久しぶりに朝ごはん作ってあげようと思ったのに、この家の冷蔵庫は酒とつまみしかないんだもん。」
「何も作らねぇからな。」
「ちゃんとご飯食べてたの??」
あきらかに十年前と比べて痩せていたのは昨日気付いたが、年のせいだと思っていた。
しかし、そうでもなさそうだ。
「付き合いで飯行くくらいか。」
「だから痩せすぎなんだよ。
後で買い物行こうね。」
「…だし巻き卵…食いてぇ。」
「買い物したら作るから。」
清四郎の好物。
俺が作るだし巻き卵。
覚えていてくれたのがとても嬉しい。
「まだ眠いでしょ??
ベッド戻る??」
「ガキと一緒にすんな。」
清四郎は少し不貞腐れて見せて、俺の手を引いてベッドに向かう。
眠いのは事実らしく、布団を被ると俺を腕のなかに閉じ込めた。
「目が覚めたら、居ねぇから少し焦った。」
「…ごめん。」
「も少し寝る。
1時間したら起こせ。」
「うん。」
「お前の荷物、橋本さんの所に取りに行くついでに飯と買い物行く。」
「うん、わかった。
ありがと。」
「…寝る。」
「うん。」
「もう、出ていくのかい??」
「…今までありがとうございました。」
今は、橋本さんのところに清四郎と荷物を取りに来たところだ。
「楠君の所だね??
そうか、会えたのか、良かったね。」
「はい///」
「一緒に暮らすのかい??」
「はい…多分……。」
「多分じゃねぇだろ。」
「せ、清四郎っ!?
車に居たんじゃ…??」
「お前が遅いからだろ。
ご無沙汰しております、橋本様。」
「あぁ、久しぶりだね。」
「秀を大切にしていただいたようで、俺が言うのはおかしいでしょうが…一言お礼を。
ありがとうございました。」
清四郎は橋本さんに向かって深くお辞儀をした。
それに習って、俺も清四郎の隣で橋本さんに深くお辞儀をした。
「二人とも幸せそうで何よりだ。
ね、彰吾。」
「はい、旦那様。
秀君、良かったね。」
「はい(笑)」
「…。」
その時、彰吾さんを見る清四郎の目が少し怖かったことは内緒である。
「俺と秀はこれから二人暮らしを始めます。」
「何かあったらいつでもおいで。
多少の力にはなれるはずだよ。」
「はい、ありがとうございます。」
橋本さんと会話をしている清四郎がとても凛としていて、かっこよかった。
それに、橋本さんに堂々と俺とのことを話してくれたのが嬉しかった。
二人暮らし始めます!!!!
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