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お疲れな清四郎 ー秀ー
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「ただいまー。」
清四郎から帰宅するという電話をもらって、帰ってくる時間に合わせて夕飯を作っていた。
あと少しで出来上がる頃、玄関で清四郎の声がした。
「お帰りなさい。」
キッチンから顔を出して出迎える。
「ただいま。」
清四郎はそれをいって俺の頭を撫でるとさっさと寝室に着替えにいってしまった。
いつもと何かが違うと感じた俺は、しばらく清四郎の様子を見ていた。
部屋着に着替えた清四郎はドカッとソファに横になってため息をついている。
「清四郎…疲れてる??」
魚の焼き具合を気にしつつ、清四郎の元へ。
足も投げ出して天井を仰ぐ清四郎は俺の手を引っ張り、もっと近づくように促す。
引き寄せられて清四郎が寝たまま抱き合うと、清四郎が深い呼吸をしているのに気がつく。
ため息に近いそれからは清四郎が本当に疲れているのがわかった。
「…疲れた…。」
首もとでボソッと呟かれ、ぎゅっと抱き締められる。
甘えられているようで俺は少し嬉しくなり、そっと清四郎の頭を撫でてみた。
「あー、癒される…それ。」
「本当??
今日、何かあったの??」
「…まぁ、いろいろ…めんどくさかった。」
あまり話したくない要件なのか、言葉を濁す清四郎。
それならば、詳しくは聞かずにそっとしておいた方がいい。
「ねぇ、今日は鯖みりんだよ??」
しばらく抱き合って頃合いを見計らい、話しかけてみる。
「作ったのか??」
「うん。」
「…食べたい。」
可愛い。
俺を抱き締めたままムクッと起き上がった清四郎。
きっとこんなことを言えば怒られるだろうから、なにも言わないが。
「手、洗ってきて。
もう出来上がるから。」
「…ん。」
清四郎は大人しく洗面所へ向かった。
社長という立場は俺が想像する以上に大変なのだろう。
俺は少しでもそれを癒せればいいと思う。
「美味い。」
初の鯖みりんはレシピがとても丁寧に書かれており分かりやすかったため成功した。
気分も切り替えられたのか、清四郎はいつも通りになったようだ。
「他にもいろいろ覚えて、清四郎に美味しいご飯をたくさん食べさせてあげる。」
「楽しみだな(笑)」
「和食だけじゃなくて、たまには洋食とか中華も作れるようになりたいんだよねー。」
「それも楽しみにしてる。」
清四郎はニコッと笑って食器をさげにいった。
お風呂は二人で入って洗いっこして、お互いの体や髪を拭きながらベッドへ向かう。
抱き締めあって横になれば清四郎はとても眠そうだった。
「寝る??」
「ん。」
「お休み。」
「お休み…。」
しっかりと清四郎に抱き締められてタオルケットを被ぶり、キスをして目を閉じた。
明日、また元気になってくれるといいな…。
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