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女 ー清四郎ー
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俺がなぜ昨日あんなに疲れていたかというと…。
「社長、東藤グループの方がお見えになりました。」
某ホテルの一室。
秘書にそう言われ、レストランに向かう。
今度の大きなプロジェクトに関する打ち合わせで、もうほぼ契約が決まりかけている。
今日は挨拶もかねた最終的な確認程度。
予約していた席には東藤グループの東藤社長と女性の姿が見えた。
「本日はわざわざ足をお運び頂きまして感謝致します、東藤社長。」
「とんでもない。
楠くんのお誘いだ、断る理由がなかろう(笑)」
「そう言って頂けると、こちらとしても幸いです。」
「あははは。
そうだ、紹介が遅れたね、私の娘の玲奈だ。
年は君とさほど変わらないよ。
仕事の手伝いをやらせていてね、この機会に仲良くしてやってほしい。」
東藤社長の娘、玲奈という女性はにこやかに笑いお辞儀をした。
「初めまして、玲奈と申します。
楠様のお噂はかねがねお伺いしております。」
「楠です、初めまして。
俺の噂なんてろくな話ではないでしょうに(笑)」
「 いいえ、父からもお若いのにとても立派な方だと聞いております。」
「東藤社長は口がお上手ですから(笑)」
「おいおい、酷い言われようだなー(笑)」
食事もそこそこに仕事の話をまとめ終わる頃のことだった。
「さて、私は次の予定もあるのでそろそろ失礼するよ。
君との話は本当に飽きなくて時間があっという間に経ってしまうね。」
「もう、そんな時間ですか??
……あぁ、本当ですね。」
俺も東藤社長に続いて俺も席を立とうとするとなぜか社長は俺の肩を押さえて立たせまいとする。
「君はもう少し玲奈の相手をしてやってくれ。」
「お父様///」
「社長??」
「ほら、玲奈、お前だって楠くんに会いたいとあんなに言ってたじゃないか。
じゃぁ、楠くん玲奈を頼んだよ。」
そう言って社長は行ってしまった。
おいおい、どういうことだ。
見合いじゃねぇんだぞ!?
つーか、てめぇもまんざらでもねぇ顔してんじゃねぇーよ。
突然のことに俺は内心苛立っているにも関わらず、目の前にいる玲奈とか言う女は俺の顔を見ては頬を赤く染めている。
「あの…楠様…///」
あーうぜぇ。
「なんでしょう。」
それでも、平然を装う俺。
「清四郎様と…お呼びしてもよろしいですか///」
「………。」
「私のことは玲奈とお呼びください///」
一人で話をすすめてんじゃねぇよ、クソ女。
「私、以前から清四郎様のお噂をお聞きしていて会ってみたかったんですー///」
「…あの…東藤様。」
「玲奈で結構です///」
「では、玲奈さん。
俺はこれから仕事がありますのでこれで失礼します。」
「あら、清四郎様は午後はお暇だとお伺いいたしましたが??」
「誰がそんなことを??」
「お父様が///」
くそ、あのクソダヌキめ。
午後の予定を空けておけと言ったのはこのためか。
「清四郎様、玲奈と遊んでください///」
調子に乗るクソ女はやたらキツイ香水の匂いを漂わせながら、俺に抱きついた。
「それはできません。
失礼します。」
「清四郎様ー。」
これが、俺の疲れていた理由だ。
この後散々付け回され、会社にまで着いてきた。
クソ女あああああああああっ!!!!!!
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