アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
違和 ー清四郎ー
-
「「仕事だもん仕方ないよ。」」
こういった秀は笑っていたのに、泣きそうな顔をしていた。
俺が帰ってからずっと秀の様子が明らかにおかしい。
俺が近くにいっても何のアクションもなく、ただ淡々と料理を作るだけだった。
理由を聞いても何もないとしか答えず、秀の態度に俺は困惑する一方なのだ。
ベッドに入って寝たふりをして秀の様子をうかがうが、なかなか寝ない。
寝られないのか、寝ないのかすらわからないが…。
結局、俺は明け方くらいに寝てしまったようで、目が覚めたら秀の姿はなかった。
「秀…っ!?」
途端に焦って寝室を出るとキッチンにその姿を確認して安堵する。
「おはよ。」
まただ。
笑っているのに泣きそうな顔。
なんで、そんな顔してんだよ。
結局原因もわからず会社に出社。
秀の「いってらっしゃい。」という声が頭のなかで木霊していた。
「おっすー。」
「おぉ、和也。」
「何か今日の清四郎、イマイチだなー。
秀君と喧嘩したか??」
笑いながら鋭いことを言ってきやがる。
抜け目ねぇなコイツ。
「喧嘩した方がマシだ。」
「ん??」
「昨日からアイツの態度が変なんだよ……。
理由聞いても答えねぇ。」
「お前、何かしたんじゃねぇの??」
「何もしてねぇ。
心あたりが全然ねぇ。」
「清四郎もお手上げ??(笑)」
くそ、なんでコイツこんなにたのしそうなんだ??
「随分楽しそうだな、おい。」
「そりゃあー、清四郎がこんなにお手上げなことなんてそうそうねぇからなー(笑)」
「うるせぇ、アホ。」
確かに。
俺がここまで困惑することなんざそうそうねぇ。
それだけ、俺にとって秀が弱点ってことなんだろ。
「俺が聞いてあげよっか??」
「あ??」
「だーかーらー、秀君に俺が聞いてあげよっかって。」
「…………まだいい。
こっちで何とかする。」
「まだってことは、そのうちあるわけね(笑)」
「あんまり頼りたくねぇーがな。」
秀………。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 100