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茶碗蒸し3 ー秀ー
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清四郎が茶碗蒸しを食べてくれた。
半分だけど、それでも食べてくれたことは嬉しい。
「お前がそばにいてくれればそれでいい。」
清四郎がボソッと呟いた言葉を俺は聞き逃さなかった。
本当に??
俺でいいの??
嬉しいのと、不安なのがグルグルと渦を巻く。
この前の女の人じゃなくていいのだろうか。
それでも、その言葉は本当に嬉しかった。
嬉しくてはしゃいだのがバレないようにそっけなく返すも、心のなかでは大騒ぎだった。
「秀。」
寝ていたはずの清四郎が俺のいるリビングに来た。
まだ頭がクラクラするのか壁に手をつきながらたっている。
「何、どうしたの??」
ダルそうに歩く清四郎に駆け寄って肩を貸す。
「ん、わり……。
お前どうしてんのかなって…。」
「俺??」
「起きたら居なかったから…。」
「……テレビを見てたけど…特になにもしてないよ。
ベッドに戻ろう??
横になってるほうが楽でしょ??」
「ん。」
ゆっくりベッドまで戻って清四郎を寝かせるとなぜか俺の手を離さない。
「手…離せば??」
「嫌か??」
「嫌じゃないけどさ…。」
「けど、何だよ。」
「……。」
「こっちこい。」
そう言ってベッドの中に引きずり込まれていく。
あっという間に清四郎の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
久しぶりに清四郎の腕枕をされている。
酷く心地のいいそこは、ここ最近、避けていたものだった。
「あー、落ち着く。」
頭の上から降ってきた清四郎の声。
ぎゅっと抱きしめられている。
「最近、こうやって寝てなかったな。」
「…うん。」
「俺はこれが一番安心して寝れるんだけどな。」
それは俺も同じだった。
でも、最近は自分からさっさと寝たふりをしてしまって、清四郎が頭を撫でながらお休み、と声をかけてくるのを待っていた。
面と向かって寝たら泣きそうだったから。
しばらく清四郎の腕の中でその温もりと匂いをさりげなく満喫していた。
「しゅ…う…。」
今にも消えそうな声で名前を呼ばれた。
きっともう、寝たのだろう。
「おやすみ、清四郎。」
起こさないように抱きしめ返してみる。
約2週間、清四郎を抱きしめられなかった為思う存分堪能したい。
目一杯に清四郎の匂いを吸い込んで酷く安心した。
本当は早く仲直りがしたい………。
しかし、どうすればいいのかさっぱりわからなでいる。
悶々とした気持ちを落ち着かせたくてもう一度清四郎の匂いを大きく吸い込んだ。
清四郎に、もっと触れていたいのに…………。
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