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音をたてて壊れてく3 ー秀ー
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俺が助けて欲しいとき…いつも清四郎は助けてくれる。
俺のたった一人のヒーロー。
「清四郎っ…んっ……怖い…怖いよ……。」
俺がそう言うと、清四郎は優しく抱き締めてくれた。
薬が抜けてきている。
その代わり、殴られた所の痛みがジンジンとさらに増して、ボーッとしてた意識もはっきりとしてきた。
「いた、い……ん…。」
「秀…、もう大丈夫だからな…。」
清四郎がゆっくりと背中を撫でてくれる。
ベッドの上、座った清四郎の足の間にすっぽり収まった俺は、清四郎の胸元に顔を寄せてゆっくりとその匂いを吸い込んだ。
必死だった。
自分の心臓が痙攣してるのかと思うくらい速く動くのを、どうにか落ち着かせたくて…必死に落ち着こうと…無理をしてゆっくり呼吸をした。
「熱いな…。
傷のせいで熱が出てきたのか…。」
「熱……??」
「たくさん殴られたろ??
ほら、もう結構な熱出てきてやがる。
…薬…なかったよな??」
清四郎がベッドから降りて、ストッカーへと向かっていく。
俺は慌てて清四郎の服を掴んでとめた。
「…清四郎っ、行かないでぇっ…薬とかいいから…。」
そんなだだを捏ねる俺に清四郎は優しく笑って頭を撫でてくれた。
そして俺をひょいっと軽々持ち上げて、抱き抱えながらストッカーに向かった。
俺、男なのに…清四郎みたく強くなりたい…。
「薬は飲んでおけ。
熱が出て辛くなるのはお前だ。」
でも…。
「でも、俺…」
「薬、嫌いだったよな。」
覚えてくれてた。
「でも、これだけは我慢しろよ。
それ以外のわがままなら聞いてやるからな。」
薬とミネラルウォーターを取ってベッドに戻ると、清四郎はその二つを口に含んで俺にキスをした。
もちろん、清四郎の口からミネラルウォーターと硬い物質が俺の口に移される。
仕方なく意を決してそれを飲み込むと、清四郎は偉い偉いといって抱き締めてくれる。
子供じゃないのに、と言いたくなるが今は嬉しい。
「清四郎………清四郎……。」
「わりぃな、巻き込んで。
こんな思いさせて…情けねぇ…。
お前のことすらしっかり守れねぇなんざ…話になんねーな。」
清四郎が俺の腫れている頬を撫でながら呟くその顔は、辛そうで苦しそうで…清四郎が悪い訳じゃないのに…謝らないで欲しい…。
「清四郎……。」
ピンポーン
「っ!?」
チャイムの音に俺は驚いたのと恐怖で思わず清四郎にしがみついた。
また、あの人たちが来たのだろうか…そう思ってしまった。
「やっ…清四郎……やだ……。」
治まったと思っていた震えが再び起こって、手足が冷たくなっていくような変な感覚さえする。
清四郎はそんな俺を優しく宥めて、俺をタオルケットごとリビングのソファに運んで、インターフォンに出た。
ベッドルームから清四郎の姿が見えなくなると不安になる俺をわかってなのだろう。
「邪魔するよー。」
「悪いな。」
「和也さんっ!?」
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