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初めて見る顔 ー秀ー
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「清四郎ー、もう皆帰ったよー??」
午前2時を過ぎて、完全につぶれた和也さんをタクシーにのせてアキさんはお酒など飲んでいないような顔で帰っていった。
橋本さんはお迎えの車に酔って終始ニコニコしていた彰吾さんを乗せてやり、俺に「ご飯代。」とちょっと多すぎるくらいのお金を握らせて帰ってしまった。
お金どうしよ………。
そんなことを考えながら、見送りから帰ってきた。
リビングを見渡せば先程と変わらず、ソファーにもたれ掛かっている清四郎の姿が目に留まる。
「清四郎ー??
寝ちゃった??」
清四郎の足元に座って顔を覗き込むと、閉じていた目がゆっくりと開かれた。
顔色はあまり変化していないものの、目が完全に据わっている。
「寝てねーよ。」
「ベッドいって寝よう??」
「誘ってん……のか。」
「はぁ??
酔っぱらいはさっさと寝ろって言ってんの。」
「片付けは……??」
「アキさんが手伝ってくれたから特にないよ。」
清四郎はソファーに預けていた体を起こして、辺りをキョロキョロと見渡した。
そして、テーブルの上に余った梅酒を見つけるとニコニコ笑ってボトルのキャップを開け始める。
「ちょ、まだ飲む気!?」
「……ダメなのか??」
慌てて止めると、さっきまでニコニコ笑っていた顔は急に曇り始めた。
「だってさっきまでガンガン飲んでたじゃん。
飲み足りないなんてことないでしょ??」
「二人っきりで飲んでない。」
「だって今日はみんなに喜んで貰うためのご飯会だったから…」
「だから、今から飲み直す。」
「酔ってんだからやめときなってばー。」
ボトルを取り上げると、ムスーっとにらみつけてくる。
あれ、清四郎ってこんなに表情変わる人だっけ??
いつもは俺の方が表情コロコロ変わるって言われてるけど、なんか今日の清四郎は今まで見たことないくらい表情豊かだ。
もちろん、清四郎の表情がいつも同じとか言うことではなくて。
「あと少しだけ………な??」
「そんな顔したってダメだから。」
「秀と二人っきりで飲みたい。」
「でも…」
「二人っきりでゆっくり飲みたい。」
ジーっと見つめられて、そのかっこよく色っぽい清四郎に勝てるはずもなく、俺はボトルを清四郎に渡した。
俺が飲めるようにってわざわざ遠くにあった梅酒のボトルを取ってくれたんだと思う。
コップに溶けかかった氷を手で2.3個入れて梅酒を静かに注ぐ清四郎はどこか嬉しそうだった。
「ん。」
「ありがと。」
「お疲れ、乾杯。」
「か、乾杯。」
「お疲れ」と言ったのは、多分、俺が料理を作ったりお酒を注いだりいろいろと動き回ってたからだろう。
ちょっとそれが嬉しかった。
清四郎は飲むペースを俺にあわせてくれていた。
途中から別に余ってた焼酎に変えてたけど。
「秀、もっとこっちこいよ。」
普通に隣に座っていた俺の腰をグイッと引き寄せてぴったりと俺達はくっついた。
清四郎の左手は俺の腰に、右手はグラスを持っている。
コツンと俺の頭に清四郎が頭を預けてきた。
「やっぱり眠いんじゃん(笑)」
「んー、すげぇいい気分…。」
「それ飲んだら寝ようね。」
「んー、キスしたい。」
会話になってねぇ!!!
「キスじゃなくて、それ飲んだらベッドいって寝よう。」
「ベッドいってキス。」
何言ってんだコイツ!!!
「もうそれでいいけど、とりあえずそれが最後ね。」
諦めた俺はボトルのキャップを閉める。
それを見た清四郎はちょっとしょんぼりしていたが、諦めたのか最後の一口をグイッと飲み干した。
それを見届けてグラスを下げようとしたとき、顔を両手で包まれてキスをされた。
ちゅ。
ホントに触れるだけのキス。
目を開けると満足そうにしている清四郎の顔。
「秀…ベッド。」
「はいはい。
ちょっと待ってて。」
グラスを手早く片付け清四郎の手をとると、意外にも素直にベッドへと移動する。
しかし、ベッドルームに入った途端、むぎゅーっと後ろから抱き締められてベッドに押し倒されてしまった。
「せ、清四郎っ!?」
「んーーー。」
なんだ、眠いだけか。
「あっつ。」
アルコールで体が火照ったのか、着ていたシャツを脱ぎ始めるがどうやらボタンが上手くはずせないらしい。
途中で諦めて俺をじっと見つめた。
言わんとすることはすぐにわかる。
「脱がせろ」ってことだ。
ボタンを丁寧に外して肩までシャツを下ろすとスベスベの肌が現れ、ほんのり赤く染まっていた。
スルッとシャツを脱がし、デニムパンツのベルトを外してやる。
「デニムも…。」
「スエットはく??」
「んーーー、いや。」
まるで子供。
でっかい子供。
デニムパンツも脱がせて、パンイチの姿に。
楽になったのかすぐにブランケットをかぶりだした。
俺もTシャツとスエットに着替えてベッドに入ると、いつものように腕枕をされる。
「秀…キスしたい。」
「ん、ちゅ。」
「ちげーよ。」
そこから熱い熱いキスを繰り返した。
ねっとりと清四郎の舌が俺の口内を行ききして、唾液を混ぜて、歯並びを舌でなぞって…。
たまに目を開けると、噎せ返るような色気と甘えているようなとろけた表情の清四郎がいた。
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