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TDL 3 ー秀ー
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「あそこ何??」
「平たく言えば、射的。」
「行こうっ!!!」
ひとつ目のアトラクションであるジェットコースターを乗り終えてから、店を見たりしていると一際に賑わっている場所があった。
西部の酒場を再現しており、ガンマンに扮した女性キャストがいた。
「どうぞっ、ポリスマンが居眠りをしている間にこの銃で的を射ってください!!!
成績がいいガンマンにはその功績を称えて、バッヂを差し上げますよっ!!!!」
「やるか??」
「清四郎もやって??」
「勝負な(笑)」
パン!!!パン!!!パン!!!
パリーンッッッ!!!!!
俺は下手くそなのか全然当たらない。
そんな俺とは別に清四郎はものの見事に全て的中している。
片手で銃を構えて片目を瞑って狙いを定めるその姿は、さながら様になっていて周りの女の人たちが見惚れるほどかっこよかった。
「ねぇ、あの人かっこよくない??」
「大人って感じだけど、こーゆーところくるんだね(笑)」
聞こえてるし。
まぁ、この人、俺のだけどね。
なーんて////
「はい、カッコいいお兄さんおめでとうございますっ!!!
優秀なガンマンとしてこちらを差し上げまーすっ!!!」
清四郎に手渡されたのは金色の星の形をしたバッヂだった。
いかにも西部のガンマンって感じだ。
「ほれ。」
「え。」
「やるよ。」
「何で…俺…??」
「アホ、35過ぎたおっさんがこんなの付けてたら笑われるだろーが。」
「おっさんって(笑)」
「いいから、ホラ。」
清四郎は俺の着ていたパーカーの胸元にその光るバッヂを丁寧に付けてくれた。
その綺麗で端正な顔が俺に近づいてきて、ほのかにホワイトムスクがふわりと香る。
うわ…。
ドキドキする。
いつもとは違うおとぎ話のような場所で、大好きな人から小さな小さなプレゼントを貰って……ホントに夢みたいな感じ。
不思議っていうか…何て言うか……。
ドキドキして、ぐるぐると考えていると「よし。」と、バッヂをつけ終わった清四郎と目があった。
「ん??
どうした??」
「…幸せだなーって。」
「これくらいで大袈裟だろ(笑)」
「違うよ、これも嬉しいけど…こういう場所に清四郎といるってなんか、不思議っていうかさ……信じられなくて。」
結局上手く言葉にできずモヤモヤしながら清四郎を見上げると………清四郎はものすごく優しい顔をしていた。
あぁ、きっと伝わったんだ。
そう思った。
きっと俺と同じ気持ちでいてくれてるんだと。
すると不意に清四郎が俺の手をしっかりと握ってきた。
いわゆる恋人繋ぎで、指と指が絡まっている。
「清四郎っ!?
人多いから………」
「いいんだよ。
てか、テレビで公言してるしな(笑)」
さらっと笑って、手を引っ張って歩き出した。
もちろん周りの人たちは俺のことをチラチラと見てくる。
女の子達のグループやカップルはチラ見どころじゃなく、もはやガン見してくる状態。
俺は顔に一気に熱が集まるのが分かるのに、清四郎は何も気にすることなく堂々と歩く。
恥ずかしいの半分、嬉しいの半分。
いや、嬉しいのがちょっと勝ってる。
「わ、わ、む、無理っ、わあああああああああっ!!!!」
パスをとっていたジェットコースターは、初めのジェットコースターよりすごかった。
スタート直後は森の動物たちがいっぱいで、賑やかで、音楽にのってたのに……滝からまっ逆さまに落ちるなんて…。
しかも、滝壺に落ちるときの演出なのか勢いよく水が舞い上がり降ってくる。
お陰で、俺も清四郎もビショビショに濡れた。
「あはっ、清四郎めっちゃ濡れてる(笑)」
「うるせぇよ、お前もだろ(笑)」
俺がリュックから出したタオルを取り上げて、自分の顔を拭くのかと思ったら俺の顔や髪や肩を拭いてくれた。
そんなことをされたら俺だってしてあげたいと思い、もう一度タオルを取って清四郎の顔と髪と肩を拭いた。
席が一番後ろだったのが幸いだ。
こんなところを他人に背後から見られるなんて、恥ずかしすぎてたまらない。
「お前、俺にしがみついて顔見えてないじゃん(笑)」
「カメラ撮られてたの!?」
出口に向かう途中、いくつかの画面に落ちる瞬間を撮影した画像が並んでいて、清四郎が指差した先には俺たちが写っている。
落ちる瞬間、ビビって無意識に清四郎の腕を掴んでしがみついている俺の姿がバッチリ写っていた。
恥ずかしい(笑)
「あの写真ください。」
「え、買うのっ!?」
「1500円になります。」
「ねぇっ………」
「カードで。」
「ちょ、聞いてよ………」
「はい、ありがとうございます。
……では、こちらが写真とカードのお返しです。
ありがとうございましたー!!!」
「どうも。」
「ねぇ、清四郎、俺の話聞いてよw」
「ん??」
「ん??じゃなくて(笑)」
「いいだろー。
アキにも買って見せろって言われてるし。」
「ふぁっ!?」
「(笑)」
清四郎は俺のリュックに袋に入った写真を丁寧に入れて、改めて手を握ぎるとまた歩き出した。
そう言えば二人の写真とかないかもしれない。
あるとすれば……例の事件の雑誌の写真か………。
思い出かぁ。
「あ、写真。」
「今買ったろ。」
「違うよ!!!
せっかくスマホ持ってるんだから、撮ろうと思って。」
「あー。」
普段、清四郎や和也さんたちと電話やメールくらいしか使わないスマホだが、こんな時こそカメラつきのコイツの出番じゃないか。
そう思ったら空いた右手にはスマホをしっかり握った。
「ほら、貸せ。」
「ん。」
「笑えよ??」
ちゅっ。
「っ!?///」
カシャッ。
記念すべき1枚目。
清四郎との夢の国デート。
しかも、清四郎が俺の頭にチューしてる////
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