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ライバル ー清史郎ー
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藍色の暖簾をくぐり引き戸に手をかけてカラカラと音を出しながら開ける。
「いらっしゃいませー!」
「よ。」
「あ、清史郎!」
「俺もいるよー!」
「和也さん!!アキさんも!!!!」
「こんばんは、秀君(ハート)」
俺たちを出迎えたのは白いシャツ、濃い色のデニムに黒のサロンを巻いた秀だった。
「こちらにどーぞ。」
秀が俺たちを通したのは店の奥のほうのテーブル席席。
「やーん、秀君がエプロンして働いてるー!
可愛いわー!」
「アキ、キモいよ。」
「だってぇ、可愛いんだもん。
あとでカズ抜きで一緒に写真撮ろうね、秀君(ハート)」
「さっきから語尾にハート見えんぞ。
てか、俺も入れてー。」
「相変わらず仲良しですねお二人とも。」
「あら、秀君と清ちゃんにはないわよ。」
「ごめんな、コイツ今日仕事で良いことあってご機嫌なの。」
アキとカズの夫婦漫才をよそにメニューを見る俺。
メニューは筆で書かれた手書きのものと、しっかり製本されているものがあった。
おそらく手書きが旬ものやその日のオススメで、もう一方が定番メニューなのだろう。
どちらも、目を引かれるラインナップ。
酒も充実してるし、この店が繁盛するのもよく分かる。
「お前らさ、注文決めろって。
金目の煮付けある?」
「あるよ!
嶺雅さんが作って置いておいてくれた!」
「じゃぁ、それと、だし巻き玉子と、、、、とりあえず生3つ。」
「金目の煮付けとかうまそー!
あ、俺ねー、胡瓜の梅肉和えとチーズはんぺん!!」
「私何にしようかなー。
あ、店員さん何かオススメある?」
「店員さんって(笑)
今日はとろろ焼きです!」
「じゃぁ、それくださいな。」
「はい!
少々お待ちください!」
元気良く返事をしてメモをしながら厨房へと消えていった。
「可愛いわー、ホントに。」
「本当にアキはアイツのことが好きなのな。」
「あったり前でしょ!
今時あんなに健気で可愛い子いないわよ?」
「最初は荒れてたけどなアイツ。」
「強がってたのよ、きっと。
そうやってでしか自分を守れなかったのね…。」
「それをお前が変えたなんてなー(笑)」
「なんだよ(笑)」
良いバランスだと思う。
アキと和也は。
「お待たせしましたー!
生ビールと今日のお通しです。」
キンキンに冷えたジョッキとトレンチの上に乗った小鉢。
小鉢の中を見ると生のホタルイカだった。
「お通しはホタルイカの沖漬けです。」
「うまそー!」
海鮮が好きな和也は目がキラキラしてる。
このお通しには日本酒が合いそうだから、早めにシフトしようか。
「あのね清史郎、俺あとちょっとであがるからだし巻き玉子それからでも良い?」
「あぁ、気にすんな。」
「ありがと。」
「すいませーん!」
「はーい!
俺いかなきゃ。」
「がんばれよ。」
「うん。」
そして、秀は別のテーブルへと行ってしまった。
いった先を見ると、俺たちと同じようにスーツ姿のいかにもサラリーマンな男4人となにやら仲良さげに話している。
「珍しいねこの時間にいるの。」
「今日だけ、特別ですよー。」
「そうなの?
シュー君元気いいし、愛想もいいからおじさんたち元気もらえるのに(笑)」
「高瀬さん何言ってるんですかー?(笑)
あ、グラス空いてますよ、次は何にします?」
「シュー君のオススメで!」
「俺もー!」
「俺お酒飲まないから(笑)
同じので良いですよね?」
「たまにはおじさんたちと飲もうよ!」
「俺、下子だから(笑)」
「ホラホラうちのシューに悪絡みしないの高瀬さん、奥さんに叱られるわよ?」
「お母さん、それだけは勘弁してよー」
なーんだ。
ここでもアイツは可愛がってもらってるのか。
なんか安心した…。
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