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15.1人の放課後
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結局、放課後までぼーっとし続けていた。
健也と光がとても心配してくれたが、それどころじゃなく、3人を先に帰らせて一人教室に残っていた。
「出雲じゃん、珍しいな」
俺よりも少し身長の低い男が話しかけてくる。
「あ、伊藤。」
俺は話しかけられる前まで、全然気づかなかったから驚いて少し声が裏返った。
「うっわ、変な声。」
そう言って笑いながら、俺の前の席に座る。
「なんで残ってんの?居残り?」
伊藤は、俺の開いた真っ白なノートを見ながら聞く。
「ちげぇよ、お前こそなんでいんの?」
俺は理由がないことがバレないように、伊藤に話題を振る。
「俺?俺は大智待ってんだよ」
そう言って、伊藤は「今日部活休みだから、遊びに行くんだよ〜」なんて嬉しそうに言った。
「出雲も来る?」
伊藤は、スマホを触りながら俺に聞く。
「お前ら仲良すぎて、俺入りにくいわ」
少し笑いながら、俺は断る。
「まじ?でもさ、俺らにとってはお前ら4人もめちゃめちゃ仲良いと思うけどな」
伊藤はスマホをいじる手を止めて、言う。
「だから、心配になんだぜ?」
そう言って、伊藤は笑って席を立つ。
「3人に話しにくいことなら、俺が相談乗るから言えよな」
そう言って、伊藤は教室を出ていった。
心配かけてたのか。
伊藤はいつもうちのクラスの溝口ってやつと、他クラスの名前は知らないがメガネの人と仲が良く、ずっと一緒にいる。
そんなやつに心配されるってくらいだから、俺は相当やばかったんだろう。
情けないな。なんて思いながら、俺も教室を出た。
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