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嵐の前の静けさ
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「俺明日のテスト、今までで一番勉強した自信あるわ。」
クラスメイトで同じサッカー部の宮森は、部活着に
着替えながら高らかに宣言をした。
「奴隷だけは絶対いやだかんな、目つぶっても満点取れそうなくらい頑張ったぜ。うん、よくやった俺!」
「まだ受けてもないのに褒めんな。…まあ、でも本当だよな、俺も奴隷になるくらいなら死んだ方がましだよ。…あっ、でもあっちは興味あるかも。」
そしてもう一人のクラスメイトで部活仲間の矢野はすでに準備を終えて、分厚い本を片手に話に加わった。
「あっち?」
俺は制服を入れたバッグをロッカーに入れながら矢野に聞く。
「あれだよ、育成係。毎年うちの学校はこの1年の2学期にある中間テストの結果で1位が奴隷育成係、最下位が奴隷になるんだよ。決め方は学校によってまちまちだけど、奴隷育成係は政府から寄付金も出るし、就職するときも有利になるしな。それに…。」
「それに?」
「それに学校推薦奴隷ってさ結局、性奴隷ってことじゃん。なんかそれ育成するってよくね?」
「でも、俺ら男子校じゃん。そんないいもんじゃなくない?」
俺は矢野の高揚したしゃべり方に呆れながら言った。すると宮森も着替えを終えて話し始める。
「いや、でもさ女子だと結構規制があって色々出来ないけど男だったら何でもオッケーだからな。」
「…何でもオッケーって?」
「黒瀬も2年の奴隷の新庄先輩知ってるだろ?あの先輩も凄いことやらされてるらしいぜ。学校推薦奴隷って確か25歳までやらされるらしいけど、それ終わった後も普通のセックスとか出来なさそうだよな。」
俺、黒瀬優人もとりあえず奴隷にだけはならないよう、今日の夜は入念にテスト範囲を見直そうと心に決めた。
「ほんと人生変わるもんなー、奴隷は。まあ俺らは奴隷になることは多分ないっしょ。俺が奴隷育成係になることはあっても。」
「矢野は頭いいもんなー、1位になったら補佐の育成係2人、選べるんだろ?そんときは俺ら選んでね笑」
宮森のお願いに矢野はまんざらでもないようだ。
こいつは本当に1位狙いに行く気なのか。
「俺は別にいいよ。育成係とか興味ないし。」
「黒瀬はイケメンでA高サッカー部のエース様だから女がいくらでもよってくるんだろうけど、俺らはバリバリの童貞だからねー。むかつくわ、なんか奢れ。どうせ今日も黄色い声援がグランドに響き渡るんでしょうよ。」
「なんで、俺が奢らなきゃいけないんだよ。」
「おい宮森、勝手に俺を童貞にすんな。んで黒瀬はほんとむかつくからまじでなんか奢れ。」
「え、お前童貞じゃないの?まじ?」
「…お前らもう部活いくぞ。」
こうして、テスト前日の放課後は緩やかに過ぎていった。
これが嵐の前の静けさだったということに気づくことなく。
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