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Side story:花見 棗(なつめ)
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今日の俺はめちゃくちゃイライラしていた。
原因は、山口との言い争いだ。
昨日の夕方。
担当の奴隷である坂見 楓を満足するまで抱き潰し、やっと帰らせた直後。
山口が『ちょっといいか。』と部屋の外から声をかけてきた。
奴隷達の住む部屋と同じ建物内にある役人用の寮で暮らす俺達は、部屋こそ向かい同士にあるけれども、ほとんど伝達事項はメールでやり取りしていて、こうやって山口が訪ねてくることは今まで一度もなかった。
はあ、めんどくせー。
山口がやってきたタイミングは最悪で、俺は楓を抱いて3回も逝ったため、怠さと眠気がピークに達していた。
ベットの上で大の字になりながら、答えるのも面倒くさく居留守を使おうとした。
けれど山口は早くもしびれを切らしたのか、扉をドンドンっと叩き『早く出て来い!』と先程よりも大きな声で俺を呼ぶ。
うるせーな。何だよ…。
俺はノロノロベッドから起き上がり、扉まで歩いていった。
そしてぎりぎり顔が見れるくらいだけ扉を開けると
「何か用すか?」
と気怠そうに山口に言った。
髪はボサボサで服もしわだらけになっていたけれど、山口の前でそれを特段気にすることはない。
「お前、ここに奴隷を連れ込んだだろう?」
山口も俺の恰好には触れず、すぐに本題へ入った。
ちっ、バレてんのかよ。本当にめんどくせーな。
「指導っすよ、指導。」
「奴隷の指導は、奴隷の生活範囲内で必ず役人2人以上で行うのが規則だろう!自室に連れ込むのが禁止されているのはお前もよく分かっているはずだ!」
山口が声を荒げた。
「…俺はこれでもお前のことを心配しているんだ。お前をここへ引っ張ってきたのは俺だからな。…今回は見逃してやるからもうするなよ。」
「あんま心配ばっかしてると禿げますよ、山口さん。それでなくてももうおっさんなのに。」
「お前なあ!!」
「はい、はい、分かりました、分かりましたから。もうしませんって。じゃあ、俺ひと寝入りするんで。」
そう言って扉をガチャンッと閉めた。
昔から俺の親代わりでいる気になっている山口は、無口なくせにたまにこうやってうるさく言うことがあった。
別に俺はどうなってもいいのに。
こんな所いつ追い出されても構わないのに。
「…………なあ。」
「…………まだいたんすか?山口さん。」
扉の向こうからまた俺を呼ぶ山口の声が聞こえてきてきた。
俺は扉に背を向けながら答える。
「………お前、あの奴隷に入れ込んだりしていないよな?」
心臓の跳ね上がる音が聞こえて、鼓動が速まり体中を熱が駆け回った。
「……あの奴隷?誰のことっすか?」
言葉だけは冷静に聞こえるよう喋る。
「坂見 楓のことに決まってるだろう。」
「俺が奴隷に入れ込む訳ないでしょ!何いってんすか?」
口調が早くなるのを止められない。必死で山口の言葉を遮るように大きな声で話していた。
「…………奴隷はやめておけ。お前の幸せにならない。」
「っだから!違うって言ってるだろ!!一々五月蠅せーよ!!早く帰れよ!!!」
無性にイライラして自分を隠すことが出来なかった。
「…………とりあえずもう連れ込むのは辞めろよ。」
その後、遠ざかっていく足音が聞こえてきて、今度こそ山口が去ったことを確認する。
俺はベッドにドサッと寝転がると、天井を睨みつけた。
その天井に手を伸ばし、力の入っていたこぶしを開くと爪の後がくっきりと残っていた。
あいつは俺の性欲処理に使っただけだ。
奴隷を性欲処理に使って何が悪いんだ。
入れ込んでるわけねーだろ。
止まらないイライラを抑えようと乱暴に目を瞑り、無理やり眠りについた。
一度夕食時に目を覚ましたが、食堂で山口と顔を合わすのが嫌でそのまままた眠りについた。
そして今日。
いつもなら俺がべちゃくちゃ喋り、山口が相槌をしながら奴隷の部屋まで行っていた間も、互いにほとんど話すことなく指導を始めた。
坂見 楓が俺の物を咥えている。
涙をこぼしながら、快楽に逆らいながら、俺を睨みつけながら、
俺の物を咥えている。
その姿に無性に興奮している自分にさらに苛ついた。
俺は楓の頭を乱暴に掴んで、物のように激しく動かした。
逝くのは昨日の山口の言ったことを認めたことになってしまう気がして、逝かないよう緩急を付けて楓の頭を揺らした。
それなのに、苦しみから声を上げ涙を流す楓が視界に入る度達してしまいそうになった。
俺はこいつに入れ込んでなんかいねえ。
俺は途中で行為をやめ、逝く前の張り詰めた自分のものを楓の口から出すと、楓の頭を乱暴に離し、身なりだけ整えて部屋をあとにした。
残された2人は取ってくれだの解いてくれだの叫んでいたが、その声もドアをバンッと乱暴に閉める音でかき消した。
ムシャクシャする。
くそっ!何なんだよ!!
俺は廊下の壁をガンッと蹴飛ばした。
それはただ足先を痛みつけるだけの行為だった。
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