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夢
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「なんや、この体勢、トトロのメイちゃんが穴に落っこちてきたやつみたいやなぁw」
そういうと、親指で流れる涙を軽く拭った。
「ズッ…っ…湯毛ぽぉ…?」
「あ~あ、鼻水出てもうてるやん…wほれ、ちーん」
枕元からティッシュを一枚取って俺の鼻に充てがって俺の鼻水を拭き取った。
「ん…ふ…」
「ほれ、フジくん、俺の胸に耳当ててみ」
そういうと俺の頭を軽くなでる。
「ん、こ、こう…?」
俺は湯毛ぽの胸に耳を当てる。
『トッ…トッ…トッ…』
湯毛ぽの心臓の音がする。
「知っとるか?人ってな心臓の音を聞くと落ちつくんやって。なんでもオカンの腹ん中にいる時いつも聞いていた音やからなんやって」
確かに湯毛ぽの心臓の音を聞いたら体の震えも止まった。
「俺もガキんちょの頃、怖い夢見てもうて泣きべそかいとったらよくオカンがこうやって音聞かせてくれたんやわ」
湯毛ぽのその話を聞いて、想像してみたらなんだか微笑ましくて、少し可笑しく思えた。
「ふふっ…湯毛ぽもそんな時があったんだねぇ…」
「せやで~。」
いつの間にか、夢の内容が薄れていった。
湯毛ぽは俺の頬を軽く撫でる。
「フジくんがどんな夢見てたのかはよう分からんけど、俺がずっと傍にいるから安心しぃや」
「…ありがとう、湯毛ぽ」
湯毛ぽの心臓は変わらず一定のリズムを刻んでいて、それが子守唄みたいだった。
俺はいつの間にか眠ってしまった。
今度の夢は幸せな夢だった。
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