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お前を殺す-2
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手はナイフと共に赤く染まり、奴の悲鳴が聞こえる。
奴に反撃の隙を与えることなく、俺はその肩にもう一度ナイフを突き刺し、抜く。
血が吹き出る。
何度も、何度も、奴の血を、あの日みた赤く暗い光景をフラッシュパックさせながら、全身の憎しみを込めて貫く。
-----そのはずだった。
「あぁ、可愛い久遠」
振り抜いた右手はいとも容易く避けられ、よろけた拍子に脚をかけられそのまま床に叩きつけられた。
バシンッと受け身の音が響く。
仰向けで床に転がった俺はナイフを突き出そうとするが、右手はナイフの柄ごと奴の左手に掴まれ動かすこともできない。
左手は恋人のように指と指を絡ませて握られ、そのまま奴は、
「愛してる」
いつもと同じように愛を語り、俺に口づけをした。
「----っ、やめ、ろ!」
奴の唇は柔らかく、舌は温かい。
その温もりはもう棄てたはずだ。もういらない。
やめろ、触るな、身体は----
お前を忘れられていない。
「龍----ッ」
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