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目隠しの話*
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※リバっぽいですが前回と同じ攻め受けです。
――
「それで?俺が目隠しすればいいのか?」
パリ郊外に佇む古アパートは、年季の入りも違うが、それはそれで趣があるというものだ。ベッドにより掛かるダーヴィドは、黒いレースをあしらったアイマスクを握って、"愛人"に質問していた。
「うん、オレがいっぱい、その、」
「……俺を"可愛がって"くれるのか?」
ふ、と妖艶に笑う彼にヨナタンは唾を飲み込み、答えた。
「そうっすよ、たまにはオレだって優位に立ちたいですもん」
まったくいけない子だと、下顎をなぞり囁くダーヴィドに彼はぞくりと身を震わせる。ほら、おいでとワイシャツの第二ボタンを開け、男は目隠しを着けた。
ダーヴィドの目は義眼だ。向かって左目に、六芒星をあしらった水色の瞳をはめ込まれている。視覚はない。その視神経をすべて"能力"に当てはめているからだ。よって、目隠しはもう片方の碧眼にするだけでも十分なのだが……
「君が"俺の目が完全に見えないのを見る"のも興奮するだろう?」
「うん、ダーヴィドさんの言う通りだ。」
相手を煽るためにあえて両目を隠した。笑顔で彼の服を触手で器用に脱がせていくヨナタン。彼の言った通り、吐息には熱が含まれていた。
シャツを脱がされ、鍛えた胸板が顕になったダーヴィド。ヨナタンのそれに比べれば幾分細いが、それでも立派なものであった。興奮により濡れた触手をゆっくりと這わせ、突起をも弄んだ。稚拙だが淫猥な動きであった。
「下手くそだな、お前は女を抱いたことはあるのか?」
「ダーヴィドさんに比べれば、抱いてないも同然っすよ」
愛人の文句ですら興奮材料になっていくヨナタンは、彼の言い分とは裏腹に、彼の股間が僅かに反応していたのに気づいた。まだスラックスすら下ろしていないそこに、顔を近づける。僅かな雄の匂いが彼の鼻腔を刺激した。
「ダーヴィドさんのうそつき。」
触手を太腿に絡ませて、視線の塞がれた男を見上げる。
「ベッドの上だって駆け引きだ、そうだろうヨナ。だが欲しければ……やろうか?」
唾液に濡れたダーヴィドの下唇がやけに淫らに見えたヨナタンは、すかさず口づけをした。視線はわからなかったが、きっといやらしく笑っているのだろう。想像力もまた彼の下腹部を刺激した。ダーヴィド自らスラックスと下着を下ろすと、やんわりと勃っていた自身が晒された。ヨナタンはすかさず両腕の触手を這わせ、扱きだした。
「嗚呼、っ、いいぞ、ヨナ」
彼の頭を撫でながら、快楽を拾うダーヴィド。吐息を漏らしながら、僅かに喘いでいた。いつもとは違う相手の反応にヨナタンも身体が火照っていた。
「いつもより、興奮してませんか、」
「たった一つの目でも、塞がれると世界が違うな」
触手の上の方を寄せて、軽く舐め取るダーヴィド。責めているのは自分のはずなのに、どうして自分のほうが興奮しているのだろう、ヨナタンは考えたが、彼の"命令"によってそれも遮断される。
「口で奉仕してくれ」
「はい、ダーヴィドさんっ」
触手を退け、口淫を開始するヨナタン。じっとりと濡れた口内でゆっくりと自身を舐める。先程自分の触手を舐められた時のように、淫靡な舌使いを練習して……。したはずなのだが……。
「……ヨナタン、お前は大丈夫、なのか」
上ずった声でダーヴィドが訊く。
「っ、ごめん、なさい、限界です」
返すために口を離したヨナタンは、正直に本音を言った。相手を奉仕したいのはやまやまだが、如何せん自分の身が限界だった。早く自分を蹂躙して欲しい。調教されたかのように、彼はダーヴィドを求めていた。
「最初の威勢はどうした?」
「ダメです、オレは、やっぱり」
立ち上がり、ダーヴィドの目隠しを取るヨナタン。
「貴方におかされたい」
紡ぐ言葉は、どこまでもまっすぐに淫靡だった。
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