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調教の話 (後編)*
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後半です、そんな調教してないことに気づいたのは書いた後でした
――
「北風と太陽というお話があることを俺はすっかり忘れていてね」
壁に押し付けられて、後ろから抱きつかれたヨナタン。
「無理強いしてもいけないから、君に快楽を渡した」
再生能力のある彼の腕とは異なり、腰には刺された痕が残っていた。そして、傷口が容易に開かれるようなことがこれから始まろうとしていた。
「君は言ったね、"楽にして欲しい"と」
言葉を止めないダーヴィド。抵抗虚しい相手の腕を掻い潜るように手を伸ばし、そのままベルトを解いていく。
「や、やめろ!そんなつもりで言ったんじゃない!」
今すぐにでも振りほどきたいのに、力が入らない。この後どうなるか、予想がついていた。ヨナタンは恐怖と嫌悪と……極僅かの期待をしていた。期待?何を望んでいるんだ、と彼は心の中で毒づく。
「そうか?まず開放すべきは、ここだと思うのだが」
不敵な笑みを浮かべたダーヴィドは、下着越しにそこを撫でた。刺激に興奮を隠せないヨナタン。
「このっ……」
「俺に反抗するつもりか。ここからさっきの毒をもう一度注入してもいいんだぞ?」
「ひっ……!」
脅す眼差し。
「ほ、本気で言ってるのか。」
そんなことをしたら、これ以上おかしくなったらという恐ろしさからヨナタンの目が潤む。
「本気だよ。いい加減俺の言う通りにしてくれたらどうだ?」
股間を撫でる手をやめないダーヴィドに、彼はついに折れたのか。わざとらしくついたため息ですら、震えていた。
「……分かりましたよ、ダーヴィド、さん」
嫌々彼の名前を敬称をつけて呼んだ彼に、ダーヴィドは一瞬驚き、そして笑顔を見せた。
「なんだ、君。やればできるじゃないか」
相手が自分より背が小さいからか、ヨナタンの耳元に吐息がかかる。それにすら、興奮してしまう自分を彼は恥じた。
「いい子だからご褒美をあげようか」
ダーヴィドが囁き、耳を舐る。その甘く低い声は、彼のもう一つの毒か。
「子供扱い、するな……しないで、ください」
次第に言葉遣いの変わっていくヨナタンに、彼は優しく微笑んだ。
「それにしてもヨナ、急に威勢がなくなってどうした?それほど欲しいのか?」
「こうやって話せば、言うこと聞いてくれるかなって思ったんだよ……思ったんです……」
シャツを捲り上げられ愛撫され、時折言葉に詰まりながらヨナタンは言い返す。
「成程、物分りのいい子じゃないか。」
下着をずり下ろす。半立ちしていた、ヨナタンのそれがあった。
「でも君のお願いを全部受け取ることはできないな。……俺をその気にさせちゃったから」
ふふ、と笑ってから直接手でしごき出すダーヴィド。頭《かぶり》を振るうヨナタンの努力虚しく、自身は硬さを持ち始める。
「やめ……ひっ……」
「おや、君の触手は興奮すると濡れるのか。官能的じゃないか」
そこにしか注目していなかった彼は、左手で触手を手にとったダーヴィドに言われて初めて粘液を分泌していたことに気づいた。女のそれのようにじんわりと濡れている自分自身の感覚に困惑してしまう。男に愛撫されて濡れている?何の冗談だ?一瞬戻ってきた理性は、すぐに次の刺激で吹き飛ばされた。
「俺は男は抱いたことないんだが、ここでするんだろう?」
奥に指を突っ込まれて思わず声を出すヨナタン。
「何、やってんだ……!」
「挿れて欲しいんじゃないのか?」
首をかしげるダーヴィド。ヨナタンは彼の右目に刻まれた六芒星に、このタイミングで気づいた。長い睫毛と水色に輝く瞳に見入ってしまう。そして我に返り、違うと言い返す。
「は、男同士だぞ!」
「性別は関係ない。そうだ、これが都合よく濡れてるのだから……」
ダーヴィドはヨナタンの腕を掴むと、そのまま臀部をなすりつけた。
「使えるものは使ってやる。初めてで果てるかは知らんが」
「まっ……て!」
また、突き刺さり注ぎ込まれる感触がした。毒の作用でヨナタンの触手はそこを撫でるように勝手に蠢き、動く毎にぬちゃ、ぬちゃと淫靡な水音が鳴っていた。
「あ……!」
二人きりの部屋。淫靡な水音。背後にいる相手の不敵な笑み。そして自分で自分を犯している、ふしだらな己の姿。見に覚えのない"昇る"感覚に彼は抗った。
「おかしく、なる……!」
彼の自身は、いつの間にか硬くなっていた。
「……ヨナ、俺は素直な子だタイプだって言ってたよな。」
「急に、なに、」
「俺は男を抱いたことはないけれど……」
削れる理性。呼吸を荒くして迫りくる欲情に腰を動かす。夢中だった。
「今の君なら、俺は好きになってしまうかもしれない」
「……ぁあ――っ!」
背後から囁かれた声が、尻を高く上げ甘く鳴いたヨナタンの耳に届いたかどうかは分からないが、
「なんて、ね?」
光る細い触手を引き抜き、男は満足そうに彼の項にキスをした。
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