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おはよう
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…
…だれ
…か
…泣いて
…る
…よ
…うな
…こ、え
…が
…する
そっと目を開ける。と、その瞬間、俺は顔を上げた。
ここは…なんだ?窓がない。壁は灰色だし、床も灰色。テレビもない。家具がない。床はひやりとするし音も聞こえない。
無機質ななんとも言えない、空気の音だけがする。
ん?床が冷たい?足元を見ると俺は裸足だ。なんで?あと、なんだこの違和感。
腕が…縛られているんだ。身動きが出来ない。腕が攣りそうどころか、痺れて感覚もない。俺は渇ききった喉に不快感を覚えながらやっと叫ぼうとした。
そのとき、耳元に生ぬるく擽ったい風を感じた。
「おはよ」
右耳から頭まで貫通するかのような近さで声がした。
驚きのあまり椅子ごとがたっと動いた。声から僅かに距離を取って顔を上げたらそこには見覚えのある美青年。
「…かな、た…?」
「ふふふ、奏多くんのとうじょーう♪」
三日月目で無邪気に笑いながら腕を広げた彼は俺の大学の友達、奏多。
栗色のふわふわした髪。大きくて二重のつぶらな目。華奢で女みたいな身体。あどけない少年のような中世的な声。
「なんだ?これ…なんかしたっけ?罰ゲーム?昨日確か飲み会やって…」
「違うよ?罰ゲームじゃないよ?」
違うのかよ。待て、でもここに至るまでなにか記憶がないか?確か昨日はサークル内で飲み会があって、俺は奏多に相談したいことがあるからと家に呼ばれて、一緒にまた飲み直して…俺は確か寝落ちしたのか?
でも、俺はそんなに酒には弱くないよな?酔っ払って寝ちまうほど飲んだか?そんな記憶はないが…
「どしたの?なんか難しそーな顔してるね?」
「昨日のこと思い出してるだけだよ。それより外せよこれ。帰りたいんだけど」
「んー?だーめ」
「なんでだよ」
「答え言ったら多分ぼく、嫌われちゃうからやだなー」
「言えよ。どっちにしろすでに迷惑なんだよこっちは」
奏多は嫌そうな顔して暫く黙っていた。だが、そのうちぱっと顔色を変えて、いきなり俺の肩に両腕をかけ、頸で手を結んできた。
それはよく、彼氏の膝の上に彼女が乗っかって甘えてくるような仕草だった。
「ぼく、つまんないこと考えるのやだ!楽しいことしよ!」
「はあ?待てよ、いい加減にしろよ。これじゃ監禁…」
ここまで言ってはっとした。奏多の目が、悪戯に光ったからだ。
なんとなく俺はドラマや映画で見る監禁シーンみたいだとは思ってた。でもまさかこんなベタな監禁されるなんて思わなかったし、考えすぎかなと思ってた。でも…まさかこれは本気で…?
「ねえねえ、こうへいくん」
奏多は俺の名前を甘ったるい声で呼んだ。
「ぼくとセックスしよ♪」
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