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笑ってください
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例の事件から一ヶ月が経った。
あいつら五人は、退学処分となり、キャプテンは新しい奴がなっている。
テッちゃんは相変わらず影が薄くて、でもかっこよくて可愛い。
少なくとも、いまは幸せだ。
「高尾くん」
「ん? なぁに、テッちゃん」
帰り道、いつものバニラシェイクを飲み歩き中。
話しかけてきたテッちゃんに、俺は顔を向ける。
「僕、これからも高尾くんと一緒にいます。だから、そんなに気負うことないです」
「うえ? 俺、そんなバレバレ?」
「恋人ですから。それくらいわかります」
「テッちゃんには適わん」
あはは、と苦笑いを浮かべる俺。
それに、テッちゃんはむっとした顔をした。
そして、俺の両頬を掴んで、自分の方を向かせて、近づけました。
当然、俺の前にはテッちゃんのむっとした顔。
俺は急に小っ恥ずかしくなって、顔を赤らめた。
「ちょっ、テッちゃん!? 街中でなにしてんの!?」
「高尾くん。僕は君に笑っていて欲しいんです。僕が大好きな、君の笑顔を見せてください。君が悩んで、苦しそうにしているのは見たくないです。だから、大丈夫です。笑ってください」
真剣な顔で言うテッちゃんに、周りの音は消え去って、俺はテッちゃんを見る。
「君が笑ってくれたら、僕も笑える。君が笑ってくれたら、僕も嬉しい。だから、笑ってください」
「…………あーもう。俺っていっつもテッちゃんに心配させて、テッちゃんにかっこいいこと言わせてる気がする」
テッちゃんのためにって思うこと、全部空回りだ。
俺は、ホント情けない彼氏だよね。
「うん。ごめんテッちゃん。いつでも笑顔でいることが大事なんだよね」
「そうです。その笑顔に僕は救われて、君に惚れたんですから」
「そっか。ありがとう、テッちゃん。やっぱ、最高の恋人だよ、テッちゃんは」
ギュッと抱きしめると、テッちゃんも抱きしめ返してくれる。
それが嬉しくて、嬉しくて。
気づけばキスを交わしていた。
幸せにするから、二人、いつでも笑顔でいようね。
テッちゃん。
大好き♥
END
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